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牛肉の旨み、ハヤシライス

2005年7月14日

夏本番ということで、今回はカレーにしようかな、とも思ったのですが、ちょっと当たり前すぎるので見送りました。というのも、つくり置きがきくカレーは賄いの定番。忙しくなる日が分かっていれば、その週の時間があるときに仕込んで冷蔵庫に入れておき、新たにつくる手間を省くことが出来るから。それに、カレーは皆さんも自信がお有りでしょうから、取り上げるときにはそれなりに準備しないと…。

まずはメインの具材、牛肉について。最高級の部位であるフィレ。その“ひも”と呼ばれる部分を使いました。フィレとは、横隔膜(ハラミ)付近から、後ろ足の付け根に向かって伸びている、円錐形の筋肉のこと。左右対称で1本づつ(計2本)あります。あまり運動にかかわらない部位なので、やわらかく上品な味のうえ、牛の全体重の約3%分しか採れないので大変高価です。

内臓寄りの部分を“アタマ”、足に近いほうを“シッポ”などと僕たちは呼びますが、厳密には5種類の部位に分かれ、最上級とされるのが中心に近いシャトーブリアン。ディナーで使用します。アタマ(テート)の部分はランチで、シッポ(メダイヨン、ポアント)のやわらかい部分は年配のお客様に、といった使い分けをしています。

このフィレに沿って細長い棒状の筋肉がくっついています。これが“ひも”。筋が入り組んでいて、メニューに使う食材には向いてない。今回はこの肉を使ってハヤシライスをつくりました。

ハヤシライスの起源などについては、検索で分かる範囲以上の知識がありません。なのでここでは触れないことにします。ベースとなるソース・デミ・グラスは、フランス料理の古典的なフォンであるソース・エスパニョールを、半分くらいに煮詰めたもの。フォン・ド・ヴォーが生まれる前は、どちらもフランス料理を代表する味だったとのこと。

デミ・グラスをイチからつくるのはちょっと骨が折れます。レストランにはフォン・ド・ヴォーがあるので、ブラウンルーをつくってフォンで伸ばし“即席ハヤシライス”のベースにしました。市販の缶詰(フォン・ド・ヴォー)を使って挑戦してみてください。牛肉は固くなければどの部位でもかまいませんが、ハラミを使うと似た食感になるでしょう。

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