共働き家庭が右肩上がりに増加するなかで、共働きの家庭事情、食卓のトレンドはどのように変化しているのだろうか? 日経BP総研フェロー、元日経ウーマン編集長であり、2児の母として共働き家庭の食卓事情に造詣が深い麓幸子に、最新事情や食卓トレンドについて聞いた。

協力:パナソニック株式会社

「時短でもおいしい料理」がこれからのニーズ

 そもそもなぜ、共働き家庭が急増しているのだろうか? 日経BP総研フェローの麓幸子は「1997年に大手金融機関の倒産が相次ぎ、多くの人が大手企業に就職すれば一生安泰という時代の終わりを感じました。そして家計を男性1人に頼るのはリスクが大きいと感じる世帯が増えたことが、片働き家庭と共働き家庭の数の逆転を生みました」と分析する。

 その後、2008年のリーマンショックによって、派遣切り、育休切りといった問題が起きるなど労働環境が悪化する。「当時の女性には、まだ『働くとしても出産まで』という意識もありましたが、この頃から正社員で働き続ける重要性が浸透していきます。共働きが増えたのは、経済的な要因だったのです」

 さらに、16年に女性活躍推進法が施行され、17年には働き方改革も本格的になり、今後は環境が整うことで、働く女性がさらに増えるといわれている。

 「面白いのが、かつて『夫の収入が高いほど妻の就業率が下がる』というダグラス・有沢の法則がありましたが、今は逆ダグラス・有沢の法則の時代。世帯収入が高いほど就業率が上がり、それがいわゆるパワーカップルを増加させているのです」

 しかし、海外と比べて日本の共働き家庭事情は特殊だという。「例えば中国などアジアでは、洗濯や掃除をアウトソーシングしたり、食事を屋台で済ませたり、ということを当たり前のように行っています。でも日本の場合は、昭和の高度経済成長期にできた『男は仕事、女は家庭』という意識が根強く残り、家事を夫に任せたり、アウトソーシングしたら、妻として母として失格ではと葛藤を抱えるケースが多いのです。特に料理は、会話が生まれる、栄養が取れるなど、家族の幸せと直結するもの。『ちゃんとやらなきゃ』と思っている女性が多いですね。でも、献立を立てるところから後片付けまで、最も時間がかかる家事であることも確かです」

 そのため共働き夫婦は、土日に1週間分のまとめ買いをして、作り置きするなどの工夫をしている人もいる。とはいえ、週の後半には食材が傷んでしまう、冷凍や解凍の手間もかかる、食卓事情はイマイチなんて悩みも聞かれるようだ。

 「そんな悩みを解決してくれるのが、便利なツール。例えば1週間分の献立を立ててくれる献立アプリは、食材リストや動画付きのものもあり実用的です。また、献立作りに必要な食材と献立レシピがセットで届くミールキットも、時短調理を実現してくれます。また、デリバリーを利用して、調理時間をゼロにしてしまうことだってできます」

 これらのツールは男性の家事のハードルを下げ、家事に参画しやすくするためにも活用したいもの。「働く女性には、家事・育児・仕事という多様性がありますが、男性は仕事のみになりがち。でも『家事・育児』という多様な経験をすることで、人生が豊かになり、ビジネスでも新たな発想を生むことに繋がります」

増え続ける共働き家庭

厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」、総務省「労働力調査特別調査」、総務省「労働力調査(詳細集計)」、2010年および11年の値(グレー線表示)は、岩手県、宮城県および福島県を除く全国の結果
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共働き家庭のライフスタイル3つのホンネ

その1:いまは、逆ダグラス・有沢の時代! 夫には積極的に家事参画してほしい。

その2:家事のアウトソーシングは海外では常識! だけど日本では“手抜き”に見られがち。

その3:家族の幸せと直結する料理の手を抜きたくない! けど、仕事との両立で毎日は大変。

 共働き家庭が増えても、家事分担はなかなか進まず、夫婦仲が悪くなるなんてケースも。妻1人で抱えこもうとせず、便利なツールはどんどん使う、家事をアウトソーシングするなどして、効率的に家事をすればいいんです。これは家事に不慣れな夫でも、抵抗なく気軽に家事に参加するためにも必要なことです」

麓幸子
日経BP総研フェロー/元日経ウーマン編集長
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共働き家庭の悩みにこたえる! 食卓トレンドをCheck!

 料理は献立を考えてから、買い物、調理、後片付けと、費やす時間が長いもの。これらの時間を少しでも短縮するためにも、便利なツールはどんどん取り入れるべし。料理にかける時間を減らした分、家族で食卓を囲む時間を増やせばみんなハッピーに!

【献立アプリ】旬で新鮮な食材選びも! 毎日の献立作りをお任せ

 料理は献立を決めるところからスタートするもの。迷ったときは献立アプリを活用したい。「e食材辞典」は、630以上の食材、3,700以上のレシピを収録。旬の時期や新鮮な食材の見極め方、下処理の方法や栄養価が分かる。冷蔵庫にある食材で献立を立てたいときにも重宝できる。

「e食材辞典」 第一三共株式会社

【食生活提案】時間・労力・お金を節約! 食卓に欠かせないナビサイト

 「毎日違う献立を考えるのは大変。好みやライフスタイルに合わせて献立を提案してくれるサービスはありがたいですね」。「ウィークックナビ」なら、1週間分の献立を提案し、まとめ買い食材リスト、休日の下準備、平日の仕上げ調理までをナビゲート。効率的な調理方法も記されており、時短調理したい人にもお薦め。

<写真は一例>「ウィークックナビ」 パナソニック株式会社

【ミールキット】献立・買い物いらず! 忙しい平日にぴったり

 選んだメニューの食材が、必要な分だけ入っているミールキット。「献立を考える、食材を揃える手間が省けるので、時間がない人の味方ですよね」。「Kit Oisix」なら、20分で主菜・副菜の2品が完成。厳選された安全な食材で、小さい子どもがいるお母さんにも安心。

「Kit Oisix」 オイシックスドット大地株式会社

【コンビニ受け取り】仕事帰りに受け取るだけ! 新しい買い物のカタチ

 スマホアプリで生鮮食材を朝予約すると、夕方には指定したローソンに届けられるサービス。生鮮スーパーの多様な食材が選べるほか、18時以降好きな時間に受け取れる点も便利。専門店のグルメ食材や便利なミールキットもアリ。買い物の手間を省き、鮮度も質も高い食材を手に入れることができる。

「ローソンフレッシュピック」 株式会社ローソン

【デリバリー】作る時間がない日はスマホで出来立てを宅配

 仕事などで、全く時間がないときに助かるのが、デリバリーサービス。全国16,000以上、洋食、和食、ヘルシー食など、多様なジャンルの店舗が登録されている「出前館」なら、住所を入力するだけで、配達可能な店舗、待ち時間やメニューが表示され、注文が可能。手軽に人気店の料理が味わえるのが◎。

「出前館」 夢の街創造委員会株式会社