この記事は「日経トレンディ」2017年2月号(2017年1月5日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

2018年に「セロテープ(R)」発売70周年、創業100周年を迎えるニチバン。このほど両面テープの「ナイスタック(TM)」をリニューアルした。粘着テープにかける思いを探った。

パッケージデザインの一新で明快に用途に応じて選びやすいよう工夫する

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従来品
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 ニチバンは、両面テープの定番「ナイスタック」が発売50年を迎えたのを機に、パッケージデザインをリニューアルした。「50年の間に求められる粘着力や用途、機能に応じてバリエーションを増やしてきました。パッケージで個々の特長を伝えようとするあまり、ややバラツキが生じていたので、機能が一目で分かるようにデザインを統一したのです」(テープ事業本部シニアマネージャー、村石和武氏)。

 新デザインでは左端に記された数字が目立つ。「粘着力の強弱が直感的に分かるよう4段階の数字表記を採用しました」(テープ事業本部、山崎淳氏)。「粘着力の次にお問い合わせが多いのが、貼り合わせる素材に適した『ナイスタック』はどれ? という内容です。今回、素材が分かりやすいようにアイコン化しました」(村石氏)。

ニチバン テープ事業本部 シニアマネージャー 村石和武氏
ニチバン テープ事業本部 山崎 淳氏
「ナイスタック はく離紙がはがしやすいタイプ」
両面テープが抱える永遠の課題の解決へ
ナイスタック はく離紙がはがしやすいタイプ
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テープ裏面は全面のり付き、表面の両サイドはのりがない
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ニチバン テープ事業本部 テープ開発部 浅野麻美氏
 「『両面テープのはく離紙をもっとはがしやすくしてほしい』というご要望は昔からいただいていました」(テープ開発部の浅野麻美氏)。これに応えたのが、テープ表面の両脇1.5mmの粘着剤をなくし、はく離紙を爪先でつまんではがしやすく工夫した「ナイスタックはく離紙がはがしやすいタイプ」だ。生産工程では3mm幅で粘着剤を塗らない場所を設け、センサーでエッジやラインを検知しながら中心を裁断する。
 「お客さまに製品の特長をしっかりと伝えるために、製品パッケージやはく離紙のデザインについては、特にこだわりました」(浅野氏)。

テープを貼ったままリサイクルできる
「ナイスタック エコタイプ」とは?
 両面テープでは基材の両面に粘着剤の層がある。一般的な粘着剤は水に溶けないため、テープを貼ったまま古紙回収されると古紙再生の阻害になる。「その時は溶剤を使わない粘着剤を研究していました」と主任研究員の朝田和孝氏。水に再分散する粘着剤の材料と構造を発見し、製造時に有機溶剤を使わず、しかも水に細かな粒子として再分散するという2つの点で環境にやさしい粘着剤「ecoのり」を開発した。これを採用した「ナイスタックエコ(現ナイスタック エコタイプ)」は両面テープとして初めてエコマークに認定された(※1)
テープの粘着剤をはのりがない水中に入れせん断力をかけると細かな粒子として分散
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片面テープは4層構造。その理由は?
 「一般的な片面テープは4層構造になっています」と朝田氏。一度貼ったテープをはがす際、粘着剤だけが残ってしまわないために、テープ基材と粘着剤の間に両者を接着する下塗り剤(プライマー)の層がある。また基材の上面には、使うときにロール状態から1枚ずつはがれるよう、はく離剤を塗布している。
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(※1)2004年9月に制定された新基準「商品類型No.112文具・事務用品Version1.0」において、両面テープで初めての認定