前回の記事「子乗せだけじゃない! 細分化進む電動アシスト自転車」では、拡大する電動アシスト自転車市場についてヤマハ発動機、ブリヂストンサイクル、パナソニックの3社に話を聞き、細分化するカテゴリーの違いを探った。では、同じカテゴリーで各社のモデルに大きな違いはあるのか。まずは、電動アシスト自転車登場のきっかけになったシニア向け自転車について見ていきたい。

 実は電動アシスト自転車市場全体の伸びと比較すると、シニア向けはそれほどでもない。しかし、主要メーカーはシニア向けモデルを強化している。それはなぜか。

 背景には自動車運転免許証の自主返納の動きがある。高齢ドライバーの事故が取り沙汰されるなか、各自治体で自主返納の働きかけが活発になっている。国土交通省によれば、運転免許証の返納件数は2005年が1万7410件だったのに対し、2015年には27万159件と15倍以上にまで増加。一方、返納を拒否する人の中には、買い物や通院のための交通手段が減ることへの心配を訴える人が多い。電動アシスト自転車は、こうした人たちの受け皿にもなるというわけだ。

 一般的にシニア向けモデルは軽快車タイプ(いわゆるママチャリ)に比べ、「軽さ」「取り回しやすさ」「快適性」「扱いやすさ」などの要素がより求められる。半面、重い荷物を載せることやスピードを出すことはあまり重視されない。したがって小径タイヤや足着きの良いフレーム形状、クッションの厚いサドル、上体の起きたアップハンドルなどが採用されることが多い。

 ではヤマハ発動機、ブリヂストンサイクル、パナソニックの3社のシニア向けモデルはそれぞれどこが違うのか。