多様化するアイドルグループ(「新戦国時代」アイドルたちのファン獲得競争)。CD市場全体が低迷する今、ライブやコンサートグッズなどの物販は、アイドルグループの大きな収入源の一つになっている。「特典会」と言われる物販イベントも多様化、従来からの握手会とはずいぶん様変わりしてきている。今なにが起こっているのかを探ってみた。

利益は出にくいもののライブビジネスが主体に

 2000年をピークに、当時3億8000万枚を記録した音楽CDの生産枚数は、2015年にとうとう1億6000万枚台にまで落ち込んだ(日本レコード協会調べ)。CDに取って代わって出てきた音楽ソフトの有料配信サービスの売り上げは、2005年~2010年にわたって音楽ソフト市場全体の減少を食いとどめてきたが、CDの減少分を補う規模にはなっていないのが現状だ。

 そうした中、アイドルの収入の中心になっているのが、ライブ収入と物販収入である。テレビ放送の視聴率が低迷し、音楽番組も激減しているため、かつて大きな目標だったテレビ放送出演を果たすアイドルの数は非常に限られている。有名アイドルでも、あえてテレビ放送の出演をメインに置かず、ライブを中心に活動するグループさえ出てきている。中堅以下のアイドルについては、ライブ活動こそが最大の自己表現の場となるので、ライブ活動を数多くこなしながら地道に集客を拡大しているのが現状だ。

写真はnotall。@JAM EXPOのステージにて。「ソーシャルアイドル」の名を掲げ、積極的にネットプロモーションを展開する
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 しかし、ライブの出演料だけで十分な収入を得られるアイドルはかなり少ないといえる。会場のレンタル料やイベンターの経費、舞台制作費、宣伝費、スタッフ人件費などを考えると、ある程度以上の集客能力がないと容易に赤字に陥る可能性がある。たとえ利益が出たとしても、そこから得られる出演料に安心して依存できないのがライブビジネスの現状だ。

 そこで、“物販”になんらかの“特典”を付ける“特典会”が重要になる。その走りといえるのはAKB48の握手会だが、こうした手法は今や有名アイドルから地下アイドルに至るまで、欠くことのできない大きな収入源となっている。現在、特典会そのものはアイドルやファンの多様化とともにさまざまなかたちに進化しており、ファンの獲得手段として重要な位置付けともなっている。