2017年11月2日から2日間の日程で開催されるイベント「TREND EXPO TOKYO 2017」に合わせ、月刊情報誌「日経トレンディ」が「2017年ヒット商品ベスト30」と「2018年ヒット予測ベスト20」を発表した。ヒット商品ベスト30は「売れ行き」「新規性」「影響力」の3要素からヒットの度合いを評価し、独自にランク付けしたもの。同誌が1987年の創刊以来、毎年12月号で掲載してきた恒例企画だ。

毎年恒例の日経トレンディ「2017年ヒット商品ベスト30発表会」が、イベント「TREND EXPO TOKYO 2017」内で開催された
毎年恒例の日経トレンディ「2017年ヒット商品ベスト30発表会」が、イベント「TREND EXPO TOKYO 2017」内で開催された

 さらに、今年は同誌の創刊30周年ということもあり、合わせて「グランドチャンピオン」も発表した。商品の企画開発やマーケティングに携わる主要企業の担当者155名に、30年間のヒット商品にふさわしいと思う「上位10商品」と「それに次ぐ上位10商品」の計20商品を選んでもらった。前者を3点、後者を1点として集計し、合計点が高い順にランキングを決めた。

2017年の“ヒット人(にん)”は3名が選ばれた

 ヒット商品の発表に先立ち、2017年にさまざまな分野で活躍した“ヒット人(にん)”として、俳優の竹内涼真さんと女優の高梨臨さん、お笑いコンビ「ANZEN漫才」のみやぞんさんが登場した。

 竹内涼真さんは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロインの初恋の相手である島谷純一郎役、「過保護のカホコ」では麦野初役で高畑充希さんの恋人を好演。「麦野ロス」という現象も起こした。2017年7月に発売したセカンド写真集「1mm」は、男性写真集で売り上げトップとなるなど、多くの女性を魅了した。

 高梨臨さんは、主演したドラマ「恋がヘタでも生きてます」で、バリバリ働く女性が仕事と恋愛で悩む姿を演じ、女性の共感を得て話題になった。ドラマ「愛の結婚相談所」ではインパクトのあるヒロインのシスター役を演じ、幅広い層から支持された。2018年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」には、ふき役で出演を予定している。

 みやぞんさんは、一度見たら忘れられない優しい笑顔と、多彩な特技や人柄のよさで視聴者を魅了。第一三共ヘルスケアの「ルル滋養内服液」、NTTドコモの「DAZN」、JA全農いわての「銀河のしずく」などのテレビCMに出演し、若手芸人ではナンバーワンの活躍ぶりが評価された。

2017年のヒット商品、1位は「Nintendo Switch」

 2017年ヒット商品ベスト30で注目されたのが、10位の「ハンドスピナー」。ただ回すだけのナゾ玩具はユーチューバーから人気に火が付き、特大ヒットを記録した。日経トレンディの佐藤央明編集長は「6月に突出して売れた。まれに見る瞬間風速で、きわめて珍しい形のヒットといえる」と解説した。

ハンドスピナーを回す3名のゲスト。竹内涼真さんがもっとも長く回せた
ハンドスピナーを回す3名のゲスト。竹内涼真さんがもっとも長く回せた
ハンドスピナーを購入したという竹内涼真さん。「ハンドスピナーにもランクがあるんですよ。高いほどよく回ります」と語る
ハンドスピナーを購入したという竹内涼真さん。「ハンドスピナーにもランクがあるんですよ。高いほどよく回ります」と語る

 ヒット商品の1位に選ばれたのは、任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」。佐藤編集長は「家庭用ゲーム機は携帯型と据え置き型に大きく分けられ、任天堂がそれぞれのタイプのゲーム機を投入して進化させてきた。だが、任天堂自らがその垣根を壊し、いつでもどこでも楽しめるゲーム機としてNintendo Switchを投入。大ヒットとなった」と解説した。

2017年ヒット商品の1位となったのが、任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」。3月の発売以来、いまだに品薄が続くほどの人気ぶりだ
2017年ヒット商品の1位となったのが、任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」。3月の発売以来、いまだに品薄が続くほどの人気ぶりだ
任天堂の君島達己社長からもコメントが寄せられた
任天堂の君島達己社長からもコメントが寄せられた

 「2017年ヒット商品ベスト30」の1~10位は以下の通り。

1位 Nintendo Switch

2位 明治 ザ・チョコレート

3位 クラウドファンディング

4位 ミールキット

5位 ビットコイン

6位 クラフトボス

7位 リンクルショット メディカル セラム

8位 でか焼鳥

9位 anello(アネロ)

10位 ハンドスピナー

30年間のグランドチャンピオンは「スマートフォン」に決定

 日経トレンディは2017年11月発売号で創刊30周年を迎え、1987年の創刊から毎年選んできたヒット商品は890アイテムにも上る。その中からベスト・オブ・ベストとして「グランドチャンピオン」を決定するために、主要企業398社にアンケートを実施し、商品の企画開発やマーケティングに携わる担当者155名から回答を得た。集計の結果、1位に輝いたのがスマートフォンだ。

30年間のベスト20。一過性のブームではなく、定番となったものが大半を占めた
30年間のベスト20。一過性のブームではなく、定番となったものが大半を占めた

2018年、ヒット商品のトレンドはどうなる?

 日経トレンディが来年ブレイク間違いないと予想する「2018年の顔」として選出されたのが、「おかあさんといっしょ」(Eテレ)で「うたのおにいさん」を9年間務めた俳優の横山だいすけさん。現在はミュージカルやテレビドラマ、テレビCMなどで幅広く活躍している。

「2018年の顔」として選ばれた俳優の横山だいすけさん
「2018年の顔」として選ばれた俳優の横山だいすけさん

 続いて「2018年ヒット予測ベスト20」が発表された。このランキングは、これから来年にかけて登場する商品やサービス、施設からベスト20を選んだもの。売り上げだけでなく業界への影響度、消費者へのインパクトも考慮し、総合的に評価した。

「2018年ヒット予測ベスト20」。名称を見ただけでは内容が思い浮かばない人も多いだろう
「2018年ヒット予測ベスト20」。名称を見ただけでは内容が思い浮かばない人も多いだろう

 横山さんが気になったというのが、7位の「走って戦うジュニアシューズ」。見た目は普通のシューズと変わりないが、内部に加速度センサーが搭載されており、走った距離や速度などのデータがスマホに転送されるとゲームが進んでいく仕組み。走れば走るほどゲームが進むので、自宅でゲームに没頭しがちな現代っ子を外遊びに駆り出せる。

子どもに絶大な人気のあった横山さんだけに、子ども向けの「走って戦うジュニアシューズ」が気になるという
子どもに絶大な人気のあった横山さんだけに、子ども向けの「走って戦うジュニアシューズ」が気になるという

 1位となったのが「マルチAIスピーカー」。「編集部では“2つのマルチ”という要素に着目した。1つは“マルチAI”で、1つの本体から複数のAIを呼び出せるようにすることで、あたかも専門家に尋ねたように料理や音楽などの事柄が検索できる。もう1つが“マルチスピーカー”。スピーカーは一家に1台が当たり前になったが、これからは1人に1台になる。子ども部屋で寝ている子どもを起こしたい際、スピーカーを指定すれば子ども部屋だけにアラーム音を鳴らせる」(佐藤編集長)。

ヒット予測ベスト20の1位に輝いたのは、Google HomeやAmazon Echoに代表される「マルチAIスピーカー」だ
ヒット予測ベスト20の1位に輝いたのは、Google HomeやAmazon Echoに代表される「マルチAIスピーカー」だ
Google Homeを体験する横山さん。自身の出身地を見事に引き出せたことに驚いていた
Google Homeを体験する横山さん。自身の出身地を見事に引き出せたことに驚いていた

 「2017年ヒット商品ベスト30」と「2018年ヒット予測ベスト30」の詳しい内容は、11月4日発売の日経トレンディ12月号で紹介しているほか、11月2日~3日に開催する「TREND EXPO TOKYO 2017」の会場にも展示している。

ヒット商品30が一堂に会する「TREND EXPO TOKYO 2017」
 ヒット商品30は、11月2日、3日に開催される「TREND EXPO TOKYO 2017」の会場に展示されます。今年のヒット商品をまとめて体感できるチャンスです。ご来場をお待ちしております。

「TREND EXPO TOKYO 2017」の詳細はこちら

「日経トレンディ」12月号のご案内
【特集】2018年ヒット予測100
【特集】2017ヒット商品ベスト30
【特集】これからの30年のヒットを占う!未来年表2050


日経トレンディ 12月号
11月4日発売
特別定価:690円(紙版、税込み)
発 行:日経BP社

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(文/磯 修=日経トレンディネット)

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