「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。

1993年ヒット商品ベスト30
1位 Jリーグ
2位 格安紳士服
3位 ダイエー「セービング」
4位 『ジュラシック・パーク』
5位 アウトレット
6位 円高還元商品
7位 ナタ・デ・ココ
8位 『磯野家の謎』
9位 ウィンドウズ3.1
10位 地方のジュリアナ現象


11位 格安マンション 21位 『セーラームーンR』
12位 『クレヨンしんちゃん』 22位 缶入り緑茶
13位 食べ放題レストラン 23位 J.CREW
14位 福岡ドーム 24位 シーガイア
15位 マグヌードル 25位 サボ・サンダル
16位 ビーイング系ミュージシャン 26位 ザウス(SSAWS)
17位 ポケベル 27位 CD-ROM
18位 屋台村 28位 テレビデオ
19位 カジノバー 29位 3Dステレオグラム
20位 『清貧の思想』 30位 子供用電子手帳


Jリーグ

観客動員数は400万人に達する勢い
関連商品の売り上げは7倍の上方修正も

 観客動員数延べ400万人、チケットの総売上高100億円へ。

 5月15日に開幕したJリーグ(日本プロサッカーリーグ)は、当初予想を大幅に上回る好成績を上げることが確実な情勢だ。テレビ視聴率も開幕戦で32.4%(関東地区、ビデオ・リサーチ調べ)を記録。文句なしに93年最大のヒット商品である。

 関連商品も爆発的に売れている。ユニホーム以外のオフィシャルグッズの商品化権を持っているソニー・クリエイティブプロダクツ(ソニーCP)は、衣類、ミサンガ、メガホンなどのグッズ類を売るJリーグ専門店「カテゴリー1」を全国に128店舗展開(10月1日現在、以下同じ)。他に、約100カ所のインショップコーナー、各競技場への商品供給などを通じて、93年は年間300億円の売り上げを見込んでいる。これは同社の当初販売目標の実に7倍近い数字である。

格安紳士服

都心進出にかける郊外型専門店
「スーツは価格か品質か」で大論争

 10月1日の都内の繁華街は、さながら安売り紳士服デーだった。東京・銀座には岡山市に本拠を置く郊外型専門店のはるやま(当時)が開店し、新宿では業界第2位のアオキインターナショナルが新宿駅の西口と東口に同時に2店を開いた。

 両社とも開店の目玉は超特価のスーツ。はるやまが1着1900円のスーツを先着50人限定で売り出したのに対し、アオキはさらに安い1001円のスーツを登場させた。すると、はるやまは対抗するかのように、事前の広告にはなかった999円のスーツまで投入。開店前に並んだ客ははるやまが3000人、アオキも1000人といわれ、目玉のスーツは開店とほぼ同時に売り切れた。

 その一方で、青山商事やアオキインターナショナルの出した開店チラシなどが、二重価格表示やおとり広告の疑いがあるとして、公正取引委員会が調査に乗り出したことが明らかになった。

ダイエー「セービング」

広告宣伝費なし、大量取引
「一流メーカー品の半額」を果たす

 ダイエーの基幹プライベートブランド(PB)商品。「セービング」とは、ズバリ「節約する」という意味だ。オレンジジュースの場合、93年6月から1リットル入りで168円という低価格を打ち出し、店頭では一流メーカーの商品を圧倒した。

 「セービング」自体は80年に「ムダを省く」というコンセプトで生まれたものだが、ダイエーは91年にこれを低価格を基本とする戦略的PBへと大きく転換させた。

 93年に入り商品ラインアップも食品から日用雑貨、実用衣料へと拡大、8月末時点で291品目。94年2月までには339品目に増やす計画だ。93年度の「セービング」商品の売上高は計305億円に達する見通しだ。

 安く売れる理由は、テレビCMなど広告宣伝費を使わず、国内外のメーカーに大量に発注し、ダイエーの完全買い取り制で計画生産するから。売り上げは94年もさらに伸びそうだ。

体感、体験……テクノロジーとマーケティングがヒットを創造
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)

日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士

記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。

■お申し込みは下記から
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成功のケーススタディー
WASHハウス

今の日本で、コインランドリーが成長産業であることをご存知でしょうか? 従来は「暗い、汚い」イメージの業界で、店はあっても利用者はわずか3%しかいませんでしたが、新タイプの店の増加によって利用率は年々上昇。このトレンドの一翼を担っているのが、九州発の「WASHハウス」です。同社の快進撃により、九州では既にコインランドリーの利用率が36%に達しているという調査結果も。なぜ伸びるのか、同社に最新トレンドと今後の戦略を語ってもらいます。

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