「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。

1992年ヒット商品ベスト30
1位 大型ゲームセンター
2位 オートキャンプ
3位 カラオケルーム
4位 「ツイン・ピークス」
5位 スウォッチ
6位 RV(レクリエーショナル・ビークル)
7位 レモン飲料
8位 テスティモ
9位 もつ鍋
10位 シングルCD


11位 百貨店値頃商品 21位 ダイエットコーク
12位 デカビタC 22位 AMステレオラジオ
13位 女性映画『氷の微笑』『愛人/ラマン』 23位 ハウステンボス
14位 Jリーグ 24位 きんさん・ぎんさん
15位 女優のヌード写真集 25位 VR(バーチャルリアリティ)
16位 エア・ジョーダン(バスケットシューズ) 26位 ジオポリス
17位 『それいけ×ココロジー』 27位 デルカジ
18位 おしゃれなコンドーム 28位 ストリートファイターII
19位 グッドアップブラ 29位 イージーパンツ
20位 タイ料理 30位 ワイルドブルーヨコハマ


大型ゲームセンター

都心部に大型店舗が相次いで誕生
「割安で身近」でサラリーマンやOLに人気

 各地に体感マシンなどを備えた大型店舗が相次ぎ開業。ゲームセンターの市場規模は5000億円に上った。カジノを備えた大人向きの都市型店が増えたのも92年の特徴だ。

 9月に開業したセガ・エンタープライゼス(当時)の大型アミューズメント(AM)施設、「六本木GIGO(ギーゴ)」は六本木の中心にあるホテル・アイビスの1〜4階にある。ここはかつて高級ブティックやディスコフロアを備えたカフェバーなどが入居していた。店内で体感ゲームに歓声をあげるのは、若いサラリーマンやミニスカートのOLなど、以前と変わらぬ六本木族だ。

 92年はGIGOのような大型のAM施設が都内に相次いで誕生した。その代表格がナムコのテーマパーク型AM施設、「ナムコ・ワンダーエッグ」(東京・世田谷)だ。最新鋭アトラクションが人気を呼び、3月の開業から8月末までに約70万人を集め、当初の年間入場見込み客を110万人にまで上方修正、各界の注目を集めた。

オートキャンプ

設備の充実した施設が全国各地にオープン
キャンプ人口は4年で倍増、1400万人に

 安い費用で家族揃って楽しめる、まさに不況型レジャー。設備の整ったオートキャンプ場が増えて、キャンパー数はうなぎ登り。キャンプ用品やRVの市場も拡大した。ただ、欧米と比較すると環境整備はこれから。

 92年にキャンプをしたことのある人は、日本オート・キャンプ協会の推計によれば、91年より200万人増えて約1400万人。「最近のキャンプはほとんどがクルマを使ったオートキャンプ。キャンプ人口はこの4年間でほぼ倍増した」と同協会。キャンパーの中心は30代の子連れのファミリー層だが、RV好きの若者も増えているそうだ。

 ブームの背景にはここ数年、各地に設備の充実したオートキャンプ場が続々開業したことがある。サイトにクルマが入れる本格的なオートキャンプ場は全国に220カ所。そのうち150カ所近くはこの10年間に新設されたものだ。

カラオケルーム

カラオケルームは1万カ所を超える
「昼食付きカラオケ」など変わり種も登場

 カラオケルームの人気が、91年にも増して高まった。92年は「昼食付きカラオケ」「コンビニ併設カラオケ」など変わり種も登場。OLを中心に幅広い年齢層を取り込み、売り上げが前年比で2倍という店も多い。ディスコやパブを業態変更するところも相次いだ。

 89年10月末には全国で1600カ所しかなかったのが、現在では「1万カ所を超えており、約4000億円の巨大市場」(第一興商)。仲間同士だけで同じ空間を共用できる満足感が人気の秘訣だ。以前はパーティや2次会のノリで大挙して来店するケースが多かったが、92年はOLの2人組やカップルでの利用が目立つそうだ。

体感、体験……テクノロジーとマーケティングがヒットを創造
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)

日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士

記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。

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成功のケーススタディー
鯖や

とろさば料理しか出さない居酒屋「SABAR」。大阪発の新興チェーンが快進撃を続けています。店内には「11時38(サバ)分開店」のような小ネタも満載な、遊び心たっぷりの店ですが、実はその背後にあるのは練り上げられたビジネスモデル。「鯖だけ」には合理的な理由があります。運営する鯖やは、店舗数拡大にとどまらず、「クラウド漁業」と名付けた壮大な構想を持っています。同社の取り組みについて語ってもらいます。

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