「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。

1990年ヒット商品ベスト30
1位 水族館
2位 BSチューナー内蔵テレビ
3位 『ちびまる子ちゃん』
4位 スーパーファミコン
5位 一番搾り
6位 再生紙
7位 ファジー洗濯機
8位 キュロットスーツ
9位 ダイヤルQ2
10位 ティラミス


11位 二谷友里恵 21位 豪華列車
12位 携帯電話 22位 DC浴衣
13位 TR75 23位 ヤングゴールドカード
14位 鉄骨飲料 24位 水上オートバイ
15位 写ルンですシリーズ 25位 無糖清涼飲料
16位 東京湾クルーズ 26位 高級フィットネスクラブ
17位 ブック型パソコン 27位 紫外線カット化粧品
18位 RV(レクリエーショナル・ビークル) 28位 リンゴ果汁
19位 超400リットル冷蔵庫 29位 ミニドリンク剤
20位 ジャンボタクシー 30位 ミニ浄水器


水族館

東京都葛西臨海水族園が火つけ役
世界最大の水槽を持つ海遊館で人気爆発

 90年7月は、各地で大型水族館の開業が相次いだ。なかでも大きな話題を呼んだのが、大阪港の天保山船客ターミナルに隣接する「海遊館」だ。最大長さ34m、深さ9mという世界最大の水槽(容量5400t)を真ん中に据え、その周りに13の水槽を配置している。海面近くから海底までの生物の生態を立体的に見せるという趣向で、水族館というよりは映画館風だ。入場者は10月2日までの75日間では159万人。

 この水族館ブームの火つけ役となったのが、89年10月10日に開業した東京都葛西臨海水族園だ。立地の良さもさることながら、建築家谷口吉生氏が設計した斬新な建物や、マグロ類約800匹が回遊するドーナツ型の大水槽(容量2200t)などが人気を集め、10月1日までの入館者数は386万人。

BSチューナー内蔵テレビ

初の民間衛星放送開局でBS熱が高まる
ソニー、東芝が首位争い

 8月にイタリアで開かれたサッカーのワールドカップは、日本のサッカーファンをテレビの前にくぎ付けにした。このW杯で特需現象が起きたのがBS(衛星放送)機器。夏のボーナス時期に重なったこともあって、BSチューナー内蔵のテレビは6月(11万3000台)、7月(12万9000台)と過去最高の出荷台数を記録した。前年同月に比べ6月は6.6倍、7月は5.6倍。BSチューナー内蔵のVTRも3万6000台と前年同月の7.2倍の台数になった。

 このBSフィーバーの背景には、8月28日に成功した放送衛星「BS3a」の打ち上げを前に、BSに対する消費者の関心が高まっていたこともあった。打ち上げ成功で放送界は新しい時代に入った。先発のNHK(日本放送協会)に続いて、初の民間衛星放送であるJSB(日本衛星放送、当時)の放送開始が確定したからだ。11月末からサービス放送を始め、91年4月に本放送に入った。

『ちびまる子ちゃん』

昭和40年代後半が舞台の漫画が大うけ
CD140万枚、グッズの売上高100億円

 ♪ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパー♪、とおどけた曲が90年、全国を躍り巡った。『りぼん』(集英社)に連載の漫画『ちびまる子ちゃん』が、90年1月7日からテレビ番組に登場。9月には視聴率を35%に乗せ、まさにうなぎ登りの人気。そのエンディングテーマ曲「おどるポンポコリン」も大ヒット。4月に発売したCDシングル盤の売り上げは7カ月で117万枚(オリコン調べ)に達した。シングル製造中止を打ち出すレコード会社も出るほどヒット曲不振のなかで、久々の明るい話題だ。

 6巻出ている原作本も、10月には1100万部に達する大ベストセラー。

 ここ10年で視聴率35%を超えたテレビアニメは『サザエさん』と『Dr.スランプ』だけだから、『ちびまる子ちゃん』は強力キャラクターといえる。当然、人気あやかりのキャラクターグッズの売れ行きも好調で、40数社から450品目が出ており、その売上高は90年100億円にも上る勢いだ。
©さくらプロダクション

体感、体験……テクノロジーとマーケティングがヒットを創造
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)

日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士

記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。

■お申し込みは下記から
https://ers.nikkeibp.co.jp/user/contents/2017z1101trend/index.html#S-2441

■TREND EXPO TOKYO 2017総合案内はこちら
http://trendy.nikkeibp.co.jp/expo/2017/?rt=nocnt



成功のケーススタディー
RIZAP

「結果にコミット」が受けて絶好調が続くRIZAP。近年はゴルフレッスンや英語、料理教室、雑貨やアパレルなどへと、一見ダイエットとは無関係な分野にまで、ハイペースで事業の多角化を進めています。その裏側にある戦略を語ってもらいます。

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