「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。

1988年ヒット商品ベスト30
1位 東京ドーム
2位 シーマ(3ナンバー車)
3位 リゾートマンション
4位 シャネル
5位 ドライビール(ドライ現象)
6位 レーサーミニ四駆
7位 フローレス・セイコ(TCブランド)
8位 『ノルウェイの森』
9位 キューティクルコート
10位 海外ミュージカル、オペラ、バレエ


11位 ウオータースライダー 21位 クール宅急便
12位 ジェンティルドンナ(高級パンスト) 22位 トレシー
13位 ビデオマガジン(低価格ビデオ) 23位 ウィスパープラス
14位 イタリア家具 24位 ぎふ中部未来博覧会(地方博)
15位 NICSスーパーショップ 25位 101(育毛剤)
16位 ドラゴンクエストIII 26位 衛星放送
17位 コードレス電話 27位 サラダソース
18位 電子手帳PA-7000 28位 北海道ゴールデン・トライアングル
19位 ダックスボイス 29位 スキューバダイビングクラブ
20位 ファイブミニ 30位 『ラストエンペラー』


東京ドーム

TDL並みの、年間1千万人集客
イベント・ビジネスも呼び込んで成功

 チームは不振でもドームは稼いだ! 史上初の巨人戦全試合満員御礼。日本ハム戦でも平均4万人。87年の後楽園球場時代の2.4倍を集めた。ドーム見たさに来ても券が手に入りにくいため、経営する後楽園スタヂアム(当時)では、約1時間のドーム見学ツアー(大人700円)まで設けた。これが好評で、夏休み中の参加者だけでも6万8000人。

 「3月18日の開業以来9月末まで入場者数は840万人。89年3月には1200万人に上るだろう」(後楽園スタヂアム)。

 入場者数で見れば、TDLと肩を並べる勢いだ。ただしこれは公称で、5万6000人といわれるドームの定員、実は小石川消防署によれば4万6314人に過ぎないので、実際のところは1000万人に手が届くかどうか。それでも、ドーム効果は大きく、今後は全天候型多目的ホールの利点を生かしたコンベンションも多くなる。

シーマ(3ナンバー車)

自営業者に人気の国産3ナンバー
上級感ある車に乗って、楽しむ

 金余り現象を背景に、88年は3ナンバー車(普通乗用車)が大躍進した。

 88年1〜9月の新車登録台数は12万5242台、前年比82.2%増。輸入車の3万6909台(29.1%増)に対し、国産車は8万8333台(120.0%増)と桁違いに伸びた。88年の高級車ブームは、まさに国産3ナンバーの独壇場だ。

 ブームのきっかけとなったのは、88年1月に発売された日産自動車のシーマ。これまでの国産3ナンバーは5ナンバーとボディを共用し、黒塗りの法人需要にウエイトをおいていたが、シーマは3ナンバー専用ボディ、自分でハンドルを握るパーソナルカーという特徴を打ち出して成功。発売翌月の2月には5373台を売り、トヨタ自動車のクラウンを抜いていきなり3ナンバー車のトップに踊り出た。以来、両社はし烈な販売合戦を続け、2〜9月合計でシーマ2万9687台、クラウン3万2395台。販売力に勝るトヨタが一歩リードした。

リゾートマンション

湯沢・塩沢、草津、熱海、勝浦、箱根
リゾートブームに湧く日本列島

 地価急騰で都市圏のマンション需要の冷え込みと対照的に、リゾート地のマンション人気はすさまじい。リゾート法(総合保養地域整備法)成立を機に、各地でリゾート開発計画が目白押し。投資資金の早期回収を狙って、リゾートマンションの建設が進んでおり、88年1〜8月で既に発売戸数は6416戸と、87年の2.4倍に達した。

 とりわけ、建設ラッシュに沸くのが新潟県湯沢町・塩沢町。1〜9月の販売戸数が1831戸。この後予定だけでも5000戸強が発売される。54階ての高層計画まである。

 そのほか群馬県草津町、静岡県熱海市、千葉県勝浦市、神奈川県箱根町などにも集中している。交通アクセスが良く通いやすい点が人気だ。

 だが、湯沢のブームの火つけ役であるマンション最大手の大京(東京)は、供給過剰を懸念する。「安定需要を見込めるのは、保養滞在型よりも、若者を狙ったドゥ・スポーツ型だろう」という。

体感、体験……テクノロジーとマーケティングがヒットを創造
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)

日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士

記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。

■お申し込みは下記から
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瞬時に触覚を伝送!リアルハプティクスが産業革命を起こす

21世紀の産業革命ともいわれる「リアルハプティクス」とは、情報伝達に重要な触覚などの身体感覚をリアルタイムに伝送する技術。ゲームやVRを進化させるだけでなく、軟らかいものをうまく持ち上げる器用なロボットが現実になるなど、IoTの次となる、IoA(インターネット・オブ・アクションズ)を可能にする技術として産業界が熱視線を送っている。“最後のブルーオーシャン”といわれるリアルハプティクス技術を、第一人者の慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の野崎貴裕助教に、最新動向を交えて解説していただく。

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