「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。

1987年ヒット商品ベスト20
1位 自動製パン機 11位 大画面テレビ
2位 サラダ記念日 12位 洗髪洗面化粧台
3位 NICS製品 13位 スーパードライ
4位 巨大迷路 14位 4WS自動車
5位 「Be-1」グッズ 15位 『トマトの本』
6位 プールバー 16位 おにぎり
7位 本の宅配 17位 電動水鉄砲
8位 ハイオクタン価ガソリン 18位 通勤快足
9位 ケミカルウォッシュジーンズ 19位 テレビ電話
10位 衛星放送 20位 夏型チョコレート


自動製パン機

初年度は約100万台出荷
炊飯、もちつきも出来る究極型も登場

 87年2月下旬に松下電器産業、船井電機が発売して以来、一時は品切れになる店が続出するほどの人気を集めた。その後、東芝、日立製作所(日立家電販売、当時)、三洋電機、シャープ、タイガー魔法瓶、象印マホービン、富士通ゼネラル、日電ホームエレクトロニクス(当時)が参入した。

 秋になると先発組の松下、船井の増産、相次ぐ新規参入で価格も安くなってきた。標準小売価格3万3000円〜3万9800円の商品が東京・秋葉原などの安売り店では3万円以下まで下がった。

 炊飯機並みの普及商品になるか、かつてのジューサー・ミキサーのように徒花商品で終わるかは製パン機、ミックス粉メーカーがこうした問題点をどれだけ解決できるかにかかってくる。

『サラダ記念日』

コピー感覚の短歌集。衝撃新人、俵万智
TV、広告界進出でスーパーアイドルに

 「これが短歌か? まるで広告コピーだ」と言われた短歌集があっという間に超ベスト・セラーになってしまった。

 俵万智の『サラダ記念日』である。5月に発売し、8月には合計180万部に達して87年内に200万部を突破しそう。作品集が1万部も売れたら大ベストセラーといわれる短歌の世界にあって、この数字には版元の河出書房新社も驚いている。

 彼女の歌を大手企業が相次いで広告に使い始めた。9月になって日立製作所とセイコー電子工業(当時)が共に全国紙に一面広告を出したのだ。形は意見広告で、どちらも『サラダ記念日』の歌を引用している。

 現代の“与謝野晶子”と言われ始めた俵万智は「万智ちゃん」と呼ぶのが自然だ。消費者に親しく呼びかけたがる昨今のメーカーにとって、万智ちゃんの歌は格好の素材かもしれない。

NICS製品

ハイテク家電、スポーツ用品・・・・・・
韓国、シンガポールなどから続々上陸

 NICSは「新興工業・地域群」の略で、香港、シンガポール、韓国などアジアで急成長している国、地域を指す。東南アジアからの輸入品はこれまで実用衣料、おもちゃなど安さで勝負する製品が大半だったが、工業力がつき技術の向上を背景に、ハイテク分野の製品を生産できる国が増え、それらの国々からの「NICS製品」が87年は百貨店、スーパーの店頭をにぎわした。

 先べんをつけたのが大手スーパーのジャスコ(当時)。「録画はなくても再生さえできれば十分」という向きにピッタリの韓国製ビデオデッキを86年秋から売り出した。ビデオデッキといえば、つい数年前まで世界的にも日本メーカーの独壇場だったはずだが、売れ行きのよさに気をよくしたジャスコは87年春から、韓国の3ドア冷蔵庫、カラーテレビや台湾の携帯型白黒テレビなども扱い始め、大手家電専門店なども再生専用ビデオの輸入に乗り出した。

体感、体験……テクノロジーとマーケティングがヒットを創造
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)

日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士

記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。

■お申し込みは下記から
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りんな×Saya、“生みの親”が初対談!
2人のバーチャル「女子高生」が示すAIとCGの未来

日本マイクロソフトの女子高生AI「りんな」は、本物の人間と対話しているような自然な受け答えができると話題。一方、実写と見分けが付かないほどのリアルさで人々を驚かしたのが、CG女子高生の「Saya」だ。この2人の女子高生が“一体化”すれば、仮想空間でリアルな“ヒト”が生まれるのではないか――。そんな期待も膨らむ。りんなとSayaのそれぞれの生みの親が、AIとCGの現在と未来、そしてバーチャルな“ヒト”が生活に溶け込むであろうちょっと先の世界を語る。

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