電動スクーター関連事業を世界展開する台湾Gororo(ゴロロ)と住友商事が、戦略的パートナーシップの締結を発表した。日本でも今年度中に試験サービスを開始する。
まずは沖縄県石垣島で、電動スクーターのシェアリングサービス「GoShare」をスタート。来年度以降、電動スクーター自体の販売などシェアリング以外の展開も含め、他の都市にも広げる予定だ。
Gororoは、2015年にバッテリー交換式スクーター(スマートスクーター)と交換式バッテリー用充電ステーション(GoStation)を台湾全土で販売開始。スマートスクーターの累計販売台数は3万4000台以上、GoStationの設置数は421カ所以上に達する。
Gororoのスマートスクーターは、満充電状態で連続100km以上の走行が可能だ。ユーザーはバッテリーが減ってきたらGoStationに立ち寄り、スマートバイクの座席下に格納されたバッテリーを交換する。使用中のバッテリーと、GoStationにある満充電状態のバッテリーの交換は6秒ほどを目安に完了する簡易さがウリの1つだ。
台北ではGoStationが平均1キロ間隔で存在し、バッテリー切れの心配なく利用できるという。GoStationは、コンビニの店頭や大学構内など、利用者が多くアクセスしやすい場所に重点的に配置されている。
ソーラーパネルで給電するGoStationもある。
台湾以外では、ベルリンやパリでシェアリングサービスを展開済み。台湾同様に2輪バイクの利用が活発なインドネシアやインドなどではスマートバイクを販売するモデルで展開するなど、国や地域の実情に合わせたサービス形態を展開していくという。
Gogoroのホレイス・ルークCEOは、「Gogoroはバイクメーカーでもバッテリーメーカーでもない。GoStationを核としたプラットフォーム事業者だ」と強調する。他社の参加にもオープンで、「バイクメーカーはもちろん、バッテリー駆動の乗り物なら何にでも対応できる柔軟さが強み」(ルークCEO)という。
2輪バイク需要が低迷する日本で、どういった展開を見せていくのか。まずは石垣島での始動を待ちたい。
(文・写真/安藤蓮彦)