「総菜を小鉢に移し替える」というシニアの声がヒントに

 1958年に世界初の即席麺として誕生したチキンラーメンは、来年で60周年を迎える。「子供のころから即席麺に親しんできた世代が今、シニアになっている。これまで若者やファミリー層を中心としてきた即席麺の消費環境がシニア層中心の消費にシフトし始めている」(日清食品マーケティング部第3グループの田淵義章ブランドマネージャー)。

 今のシニア層は、“和食好き”“薄味好み”といった昔ながらのステレオタイプなシニア層のイメージと大きく変わっている。「豊かな食生活に対する欲求が強く、食が細くなってたくさんは食べられないぶん、少しずつ多くの種類の料理を食べたいと思うようになっている。「『お椀で食べるシリーズ』は小容量の麺と具材がセットで入っているので、少しだけ食べたいときや、食事にもう一品加えたいときにぴったりで、さまざまな食シーンで便利にご利用いただけると考えている」(田淵ブランドマネージャー)。

 少量が便利なのは分かるが、同社ではミニサイズの袋麺は、ロングセラーの「チキンラーメン Mini(20g)」や「日清マグヌードル(20g)」シリーズがすでにある(他社には袋麺のミニサイズはほぼない)。またミニサイズのカップ麺「チキンラーメン どんぶりミニ」(麺重量36g)、「カップヌードル ミニ」(麺重量30g)は、ちょうどいい量を求めるシニアにも売れていて好調だという。なのになぜそのほかに、“お椀で食べる少量の袋麺”が必要なのか。

 実は同社がシニアの声をヒアリングするなかで、多かったのが「少量パックの総菜を食卓に出すとき、小鉢や小皿に移し替える」という主婦の声だったという。「カップ麺をそのまま食卓に出したときの奥さまの罪悪感、ご主人の失望感をお椀で食べることで払拭できると考えた」(同)そうだ。お椀で食べるチキンラーメンの30gは家庭で使用する標準的なお椀のサイズに合わせて設定したという。

袋の裏面にアレンジ法を記載していないのは、何も手を加えずそのまま出せる簡便性をアピールするため
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お椀に入れて160mlの湯を注ぎ、3分待てば完成。カップヌードルの具材はカップ麺と共通
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チキンラーメンにはかきたま、ネギ、カマボコなどの具がプラスされている
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