イベントには3000人が殺到

 下水道への悪いイメージを払拭する入り口として企画し、2016年4月に無料配布の形で発行開始。すると、マンホールの楽しさを知って目覚める人が続出。第1弾の30種・10万枚はあっという間に品切れが相次ぎ、増刷。その後は約4カ月ごとに新シリーズを投入し、これまでに170種・60万枚を発行した。2017年1月に埼玉県で開催したイベントには3000人が押し寄せており、裾野の広がりは疑うべくもない。

2017年1月の「マンホールサミット埼玉2017」は、予想入場者数700人に対して3000人が参加。トークショーなどで盛り上がった
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 カード目当ての来訪者をうまく地域で周遊させようとする町おこしの動きも起き始め、「ポケモンGO」のような楽しさをアナログ的に生み出す存在になったといえる。2017年8月には新シリーズの配布を始める予定。「臭いものに蓋をする」脇役の存在だったマンホールが、主役に躍り出つつある。

下水道広報プラットフォーム山田秀人氏
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「普通なら行かない場所」への旅行を誘う
 1つのカードは絶対に1カ所でしかもらえないという設計。あえて収集難度を高めることで、コレクターの意欲をかき立てている。「普通なら行かない場所に旅行する目的」としても機能しているようだ。さらに、完全コンプリートは難し過ぎるが、地方ごとにコンプリートを目指したり、「富士山の絵を含むカードだけ」など、各人が独自のルールで集められる仕掛けにしてある。

「マンホールカード」ヒットの背景には、2つの仕掛けがあった
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文/日経トレンディ編集部

(※日経トレンディ2017年8月号の記事を再構成)