10代の若者はいまどんな文房具を使いこなしているのでしょうか? 日経トレンディのムック『【2017年保存版】欲しくなるものだけ! 日用品・雑貨&文房具420』の記事から、最新事情をお伝えします。
細い字を書き続けられるシャープペン「クルトガ」や、ペンを立てられるペンケース「ネオクリッツ」など、近年、ティーンズたちの学校の机の上で、次々と文房具のヒットが生まれている。彼らの使い方を観察すると、次に来る文房具が予想できるかもしれない。
「今の10代を見て、我々の時代と最も違うと感じるのは、彼らがデジタルに慣れ親しんだ世代ならではの使い方をすること」と、アサツー ディ・ケイで若者のマーケティング集団「ワカスタ」を運営する藤本耕平氏は分析する。
デジタルデータを一瞬でコピー&ペーストし、順序を入れ替えることに慣れた10代が多用するのが、付箋。覚えたいことをすべて付箋に書き、ノートに貼り付けて自由に入れ替える「付箋ノート」がインスタグラムで話題になった。付箋は、“入れ替え前提”の感覚に沿ったアイテムだといえる。
「教科書やノートに、びっしりと小さな付箋を付けていることが多い。これも、情報を検索できるデジタル世代の特徴で、開きたいページを探すための許容時間はどんどん短くなっているといえる」(藤本氏)。
“入れ替え自在”のノート術
勉強する内容をすべて付箋に書き込み、それをノート上に自由にレイアウトする「付箋ノート」がインスタで話題になった。そこから、付箋やルーズリーフの新商品も誕生。
一方、彼らを指導する教師もデジタル世代に移行している。「資料をパソコンで作り配布するスタイルの授業が増えていて、すぐにとじるための2穴パンチが活用されている」(藤本氏)。プリントを貼りやすくするスタンプ式ののりや、パンチの穴をかわいく補強するシールもティーンズ向けの商品だ。デジタル世代なのに、アナログな紙の管理を余儀なくされるというアンビバレントな状態が、新たな文房具のニーズを生み出しているというわけだ。
プリント整理グッズがそろう
デジタル世代の学校では、教師は板書だけでなくパソコンで作成した配布資料を駆使する。プリント整理を余儀なくされる中高生をサポートする商品が、次々に出てきた。