鉛筆の書き心地とシャープペンシルの利便性を兼ね備えた文房具「大人の鉛筆」が売れています。日経トレンディのムック『【2017年保存版】欲しくなるものだけ! 日用品・雑貨&文房具420』内の記事から、この逸品を紹介します。

大人の鉛筆(北星鉛筆)
大人の鉛筆(北星鉛筆)
実勢価格 1本517円、芯削りセット590円、替え芯5本入り(HB、B、2B)150円(すべて税込み)

 鉛筆のサラサラとした滑らかな書き心地は、シャープペンシルでは得られないもの。ただ、削ったり、芯の先が折れないようにキャップをはめたりなどの作業は、やはり面倒。大人になって、鉛筆は長らく使っていないという人も多いだろう。

 鉛筆の老舗メーカー・北星鉛筆が、「大人が使いたくなる鉛筆を作ろう」と、創業60周年の節目に発売したのが「大人の鉛筆」だ。2011年の発売後、すでに累計100万本を突破した隠れたヒット商品でもある。

 開発に当たって追求したのは、鉛筆の書き心地と、大人でも使いやすい利便性の両立。芯は鉛筆と同じ軟らかい黒鉛を使用。ボディも鉛筆で使われている木材をそのまま使っており、持った感触も鉛筆そのものだ。一方、利便性を高めるため、シャープペンの機構を採用し、「書き心地は鉛筆のまま、大人も満足できる筆記具」が完成した。

 芯の先を削る器具にも一工夫がある。鉛筆削りのように鋭利な刃物で芯をガリガリと削るのではなく、砥石のように芯を優しくそぎ落とす専用の削り器を用意。芯に負担をかけないため、折れにくいのだという。

 実際の書き心地も、太く軟らかい芯で鉛筆そのもの。シャープペンのようにポキポキ折れることもない。「画家や漫画家、音楽家などプロの方にも愛好者が多い」(北星鉛筆)のもうなずける逸品だ。

消しゴム付きやタッチペン付きのタイプも発売
消しゴム付きやタッチペン付きのタイプも発売
シャープペンのように使える
シャープペンのように使える
1954年に同社が製品化した、芯を出し入れできる「ノーカットペンシル」。芯を詰め替えるという発想は60年以上前にあった
1954年に同社が製品化した、芯を出し入れできる「ノーカットペンシル」。芯を詰め替えるという発想は60年以上前にあった

完成までの作業工程を紹介

【1】
鉛筆と同じ木材を使用
鉛筆と同じ木材を使用
同じ木材で鉛筆は9本、大人の鉛筆は8本作れる
同じ木材で鉛筆は9本、大人の鉛筆は8本作れる
【2】
【2】
2枚の板を貼り合わせて削る。鉛筆は芯を入れるが、大人の鉛筆は中が空洞の状態のまま削り出す
【3】
【3】
芯を繰り出す部分やガタつき防止の筒を入れる
【4】
【4】
ニス塗りを4回以上繰り返して、大人の鉛筆の艶を出す
【5】
【5】
のり付けをして、先端の金属などをはめれば完成。工程が多く、完成までに1週間以上もかかる

「【2017年保存版】欲しくなるものだけ! 日用品・雑貨&文房具420」
 編集:日経トレンディ
 出版社:日経BP社

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「【2017年保存版】欲しくなるものだけ! 日用品・雑貨&文房具420」掲載記事を転載
この記事は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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