1974年に開業し、雑貨店の草分け的存在として、デザイナーのポール・スミスなど国内外問わず多くのファンを持つ「文化屋雑貨店」。2015年に突如閉店した同店が、1カ月間という期間限定で“復活”した。「第一回文化屋雑貨点」には「あなたが文化屋のバイヤーだったら何を置きたいですか?」をテーマに、108人が出展。その一人である芥川賞作家・滝口悠生氏がこのイベントを通じ、閉店後も異彩を放ち続ける文化屋雑貨店の魅力に迫る。

滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう)氏は1982年東京都生まれ。2011年、「楽器」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2015年、「愛と人生」で野間文芸新人賞を受賞。2016年、「死んでいない者」で芥川龍之介賞を受賞
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 2016年7月1日から7月31日まで開催されている「第一回文化屋雑貨点」は、2015年1月に40年の歴史に幕を閉じた「文化屋雑貨店」の期間限定復活企画だ。会場である東京・神田のギャラリー&カフェTETOKAの店頭には、「文化屋雑貨店」の看板と文化屋のバッグやTシャツ、アクセサリーなどが置かれている。が、イベントの本編は店内に入ってから。そこには総勢108人(煩悩の数!)の「出展者」が納品したさまざまな商品が所狭しと並んでいる。企画タイトルが雑貨「点」であるのは、誤字ではなく、多くの参加者(=点)が一堂に会するところを表してのことだそう。

 コンセプトは、〈あなたが文化屋のバイヤーだったら何を置きたいですか?〉

 陳列のごちゃごちゃ感は往年の文化屋雑貨店の店内を彷彿(ほうふつ)とさせるが、並んでいる商品の大半は文化屋が売っていた商品とは大きくかけ離れたものばかり。だからこの企画は文化屋の再現ではないし、単なる復活でもない。

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