芸能大手のホリプロが大きな“賭け”に出た。タレントのマネジメント事業を中心として、コンテンツ制作にも積極的に取り組んできた同社だが、2017年の夏、ミュージカル『ビリー・エリオット』を日本初演。前代未聞の準備期間をかけ、東京と大阪で3カ月間公演、17万人の動員を目指す。なぜ、手間ひまのかかる舞台に取り組むのか、またその先に見据えているものとは? 日本版上演の発案者として、並々ならぬ情熱で臨むホリプロの堀義貴社長にその「ミュージカル戦略」を聞いた。

2017年7月25日から3か月間公演される、ミュージカル『ビリー・エリオット』について語るホリプロの堀義貴社長
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 日本のミュージカル市場と言えば1960年代以来、長らく東宝、劇団四季の“2強”に牽引されてきたが、ここ数年、ぐっと存在感を高めているのがホリプロだ。漫画を題材としたオリジナル・ミュージカル『デスノート』『わたしは真悟』、社会問題を扱った海外ミュージカル『メンフィス』『パレード』など、個性的な“攻め”のラインアップが話題を呼び、新たな客層を獲得している。

 その彼らがこの夏、米国の演劇賞であるトニー賞10部門受賞など、各国で絶賛されてきた大作ミュージカル『ビリー・エリオット』に挑む。1984年の英国の炭鉱の町を舞台に、少年ビリーがひたむきに夢に向かってゆくさまを描き、海外で1000万人を動員してきた作品だ。今回の日本初演では3カ月間で17万人動員を目指すというが、その発端は業界雑誌のほんの10行ほどの記事だったと、発案者でもある堀義貴社長は語る。