poosan / PIXTA(ピクスタ)
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 2017年5月から7月にかけて、兵庫県、大阪府、愛知県、東京都の港湾地区で特定外来生物ヒアリ(アカヒアリ)が発見され、連日ニュースをにぎわせている。

 アカヒアリは南米が原産で、米国南部や台湾、中国、オーストラリアなどに分布し、非常に攻撃的で、人間の毛や皮膚にかみついて体を固定し、針を差し込んで毒を注入する。毒の注入量はごくわずかだが、毒成分内のタンパク質が原因で、アナフィラキシーショックを起こし、死亡するケースもあるという。

 こうした、海外から持ち込まれる害虫は恐ろしいが、デング熱やジカ熱などの蚊媒介感染症も忘れてはならない。2014年には海外渡航歴のない人が代々木公園で蚊に刺され、デング熱に感染したことが大きな話題となったが、今年6月にも、海外から帰国後にデング熱を発症した患者が蚊に刺されたことが世田谷区で判明し、区が蚊の駆除作業を行ったというニュースが報道されたばかりだ。

 得体の知れない蚊媒介感染症が、日本でも流行しつつあるのだろうか。世界的に見ると、蚊媒介感染症の死亡者数は年間約70万人にも上るという。

 「日本は、デング熱などの蚊媒介感染症の爆発的な流行がいつ起こってもおかしくない状態だ」と警鐘を鳴らすのは、先日行われたフマキラー主催のセミナーで講演を行った、国立感染症研究所・名誉所員の小林睦生氏だ。

 そこで、小林氏による講演から、蚊媒介感染症のメカニズムや脅威について紹介する。

蚊媒介感染症研究の第一人者である、国立感染症研究所・名誉所員、小林睦生氏
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