「スーパーストリートファイターII X -Grand Master Challenge-」(AC版)の画面
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 「ストリートファイターII」というゲームがある。30~40代の男性読者には説明不要だろう。1990年代初めから半ばにかけて爆発的なムーブメントを起こし、対戦型格闘ゲームという、それまでになかったカテゴリーを確立させたエポックメイキングな作品だ。2017年2月にトヨタ「C-HR」とコラボレーションした「【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #2 ストII篇」という動画が公開されたので、懐かしいと思った方も多いかもしれない。この動画の再生回数は224万回を超えている(5月24日現在)。

熱心なプレーヤーたちが現在も大会、イベントを開催

 そんな一時代を築いたストIIだが、実は今もなお多くの大会が開催され、大いに盛り上がっている。もちろんリバイバル作品や続編ではなく、当時そのままのあのストIIである。

 ゴールデンウイーク真っただ中の2017年5月6日にも、埼玉県新座市のゲームセンター「ゲームデイトナ志木」でストII大会「×5 カケルゴ」が開催された。大会名にもあるように5人1組によるチーム戦であるが、その参加人数は何と40チーム、196人にも上った。プレーするのはストIIシリーズの最終バージョンとして、 ゲームバランスが最も優れているとされる「スーパーストリートファイターIIX(以下、エックス)」。現在、ストII大会として開催されているもののほとんどはこのエックスを使用して行われている。

右が大会主催者であるMつん氏。国内大会だけではなく、海外大会でも優勝経験をもつ世界でも指折りの「ケン使い」である。左は1992年に行われた「ストII'」全国大会の覇者、太刀川氏。数千人の参加者の頂点を極めたレジェンドプレーヤーだ
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 「今年で14回目の開催になりますが、参加人数は2年連続で過去最高を記録しています。当時からずっと続けているプレーヤーもたくさんいますが、最近は大会やイベントの動画を見て、戻ってきたという人も多いです。世界中で大ブームを起こしたゲームなので潜在的なプレーヤーがたくさんいるんですね。また今大会の盛況は海外からの遠征組が多かったことも影響しています。米国、カナダ、フランス、イタリア、スペイン、台湾から30人ほどが来てくれました」(大会主催者 Mつん氏)。

 現在、ストIIの大会やイベントはメーカーやゲームセンターではなく、熱心なプレーヤーたちが中心となって開催されているという。その模様は動画としてひんぱんに公開され、かつてのストII好きを呼び戻すきっかけとして機能している。

対戦動画はまるでスポーツ中継!? ブランクあっても遊びやすい

 実際、過去に少しでもストIIに熱中した経験のある人なら、この動画は絶対に楽しめる。20年以上にわたる切磋琢磨によって現在の上級者同士の対戦はほとんど人間業とは思えないレベルにまで到達しているからだ。筆者が子どものころには想像上でしかありえなかったような連続技(コンボ)や駆け引きなど、スーパープレーが実戦でガンガン行われているのである。数年前にちょっとしたきっかけでこの対戦動画を見始めたのだが、今やすっかりハマってしまった。スポーツ中継のように「見る」だけのコンテンツとしても成立するくらいだと思う。

 「ストIIはハードに大きな制約があった時代のゲームのため、グラフィックや操作がとてもシンプルで、ブランクのある人でも遊びやすいのが特徴です。また、3DCGを使った現在のゲームというのはすべてがきっちり数値化されているため、強いキャラクターや戦い方が固定化されやすいんですが、ストIIは不確定な要素が多く、そのあいまいさがキャラクターの能力差を吸収してくれるんですね。明らかに性能の劣るキャラクターでもワンチャンスを通せば何とか勝つことができる。理不尽と言えば理不尽ですが、必ずしも理屈通りにいかないところも長く遊べる理由だと思います」(Mつん氏)。

14回目となるストII大会「×5カケルゴ」。トーナメントで勝ち上がったチーム同士が対戦する
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