ハイブリッドが主役になるなかでのエンジン車としての選択肢に

メーター表示以外は、他の「Sクラス」と同様になるインテリア
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 メルセデス・ベンツのガソリンおよびディーゼル車は今後、新開発の4気筒と6気筒エンジンでカバーし、V6エンジンは直6エンジンに置き換え、V8以上の エンジン開発はストップするという。メルセデスAMGなど高性能モデルは、当面の 間、既存のV8及びV12エンジンを改良して搭載するようだが、規制強化のタイミング次第で、これらもやはり廃止や導入地域が限定されることになっていくのではないかと思われる。

「S450」は分類的にはマイルドハイブリッドなので、駆動用のバッテリーも小さく、車内やトランクスペースへの影響はないのも良い点だ
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 本国では、メルセデスAMGの一部に、この6気筒エンジンをベースに性能向上を図った高出力のパワートレインがすでに搭載され始めている。政府主導の急速な電動化が進められる欧州と中国では電動化への対応が急務であることは間違いないが、世界市場を見れば、今後も高効率なエンジン車のニーズに加え、電動化+エンジンのさまざまなハイブリッドカーが主役であることは間違いない。つまり、効率の良いエンジンの開発を続けていく必要がある。国内外の自動車メーカーの技術者たちからもガソリンおよびディーゼルエンジンの効率化はまだまだ可能だという声が聞かれ、メルセデス・ベンツの選択はそうした自動車の将来の姿を映すものといえる。もちろん、上級車でも4気筒エンジンが多用される今、6気筒以上のエンジンは特別な存在ではあるものの、そのスムーズな回転フィールや圧倒的なパワーからクルマ選びの選択肢としてはまだ残っていくことだろう。

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(文・写真/大音 安弘)