単身・少人数世帯向けに特化することで勝機あり

 そのほかの大型生活家電の開発も進めているとのことだが、エアコンが皮切りとなった理由について石垣部長は「大阪R&Dセンターの技術が最も融合して一番強みが出せる分野だった」と語る。宮城県に本社を持ち、2011年の東日本大震災で被災したことも空調家電に力を入れることになった大きなきっかけだったという。

 「2011年の震災で会社も非常にダメージを受けた。被災企業として世の中の役に立てないかと考え、節電需要に対応した商品を多数発売した。家電だと電球とかシーリングライトなど、LEDで節電に貢献した。人感センサー搭載のセラミックヒーターやサーキュレーターなど、空調家電にも積極的に取り組んできた経緯がある」(石垣部長)

東日本大震災後、節電需要に対応する製品を多数製造販売してきた
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 大手家電メーカーの再編が進む中で最後発の参入となるが、まだまだチャンスは大いにあると、石垣部長は続ける。

 「世帯数や世帯人数推移を見ると、約80%が3人以下の世帯になっている。でも流通する家電はまだ4人以上のファミリー層向け商品が多いのが今の家電メーカーの現状だ。環境面では東京の場合、約2度も平均気温が上がっており、熱中症の患者や高齢者が在宅で死亡する事例が増えている。そんななかで、エアコンは一家に1台ではなくて1部屋に1台がスタンダードになるだろうとみている。しかし現在の市場は高価格化・多機能化の流れが進んでおり、省エネ性能や利便性の高い商品が存在するものの、価格設定が高いのが現状だ。われわれは総合家電メーカーを目指すうえで、単身・少人数世帯向けの快適で省エネな暮らしをサポートしていきたい」

世帯人数3人以下の構成が年々増えており、そこにチャンスがあると石垣部長は語った
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東京の年平均気温も50年で約2℃上昇しており、「エアコンは一家に1台ではなくて1部屋に1台がスタンダードになるだろうとみている」(石垣氏)
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