家電事業の急成長を支える3つのポイント

 エアコンを発売することによって、アイリスオーヤマは冷蔵庫や洗濯機などと並ぶ家電の“本丸”である大型家電に乗り込んだ形となった。

 同社は2009年に家電事業をスタートしており、家電メーカーとしては新興勢力だ。家電事業部 統括事業部の石垣達也部長は「LED照明やトースターなどの軽家電からスタートし、当初は年間売り上げ100億円程度だった」と語る。

アイリスオーヤマ 家電事業部 統括事業部の石垣達也部長
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 「2016年はLEDも含めて家電事業の売り上げが約485億円で、全社売り上げの約40%にまで成長した。今年は約730億円と、さらにジャンプアップする計画だ。今年の全社の売り上げは約1550億円なので、約半数の売り上げを家電事業で作っていく計画になっている。1月から3月の実績も730億円を達成できる数字で推移しているので、さらに上を達成していきたい」(石垣部長)

 ここまで急成長を遂げた要因は「“なるほど家電”の商品コンセプト」「2013年に開設した大阪R&Dセンター」「販路の拡大」の3つだと石垣氏は語る。

 「『シンプル』、『リーズナブル』、『グッド』の3つで、より気持ちよく、より快適に過ごすための“なるほど”という機能をプラスすることを大きなコンセプトとしている。日用品メーカーとして、(消費者の)不満を解消する目線を家電に盛り込んでいることを支持いただけていると考えている」(石垣部長)

アイリスオーヤマの最大の売りが「なるほど家電」というコンセプトだ
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 「値ごろ価格」というのも大きなポイントだ。

 「『値ごろ』というのは安売りではなく、商品価値と価格のバランスをしっかり認めてもらえることと考えている。お客様が必要とする機能に絞り込んで、買いやすい価格で出すのがコンセプトだ。そのためにまず売価を設定して“引き算の開発”を行っている。商品がいくらなら認めてもらえるかを考えて販売価格を設定し、その価格で販売するためにはどうすればいいのか、機能を削ればいいのかなどと検討する開発手法を採っている。この機能もあの機能もと積み上げていった結果、8万円、10万円になるのではなく、企画段階でいくらで売ろうと大体決めてからスタートするのが開発の特徴だ」(石垣部長)

 2013年に大阪に開設した大阪R&Dセンターが家電製品開発の拠点となっている。

 「さまざまなメーカーからさまざまなカテゴリーを担当する技術者が集まった。足かけ4年でかなり人員を増強し、技術力が向上したのも成長のポイントだ。さらなる雇用強化をしていきたい。また、これらの人たちが垣根を越えてアイデアを出し合ってコンセプトを決めていくのが強みになっていると思う」(石垣部長)

 家電量販店を中心とした販路が拡大したことも大きな要因だという。

 「2015年まではホームセンターが販路の主軸だったが、2017年にはホームセンター、インターネット通販、家電量販店がほぼ3分の1ずつになっている。これも成長の要因の1つ」(石垣部長)