動作瞑想としてのマインドフルネス・ヨガ

 続いて、「マインドフルネス・ヨガ」。

 「右の手と左の手を胸の前で合わせ、ゆっくりと目を閉じていきましょう。自然な呼吸で、合わせたお互いの手のひらの感覚を感じています」

 静寂のなかにそんな山口さんの言葉が聞こえ、ゆっくり手のひらと手のひらを合わせてみる。これもこれまで無意識のうち数え切れないほどおこなってきたはずの動作だが、あらためて「観察する」のは初めてだ。新鮮な感覚はあったものの、次第に、

 「なんで目をつぶっているのに、ちゃんと手と手が同じ位置で合わさるんだろう」

 「もしかしてこれを解明したらノーベル賞?」

 など、いろんな思考が頭の中でおしゃべりを始め、観察の邪魔をする。山口さんが、そんな状況を察してか参加者に声をかけていた。

「(思考の)おしゃべりが過去や未来に飛んでいく。ありのままの自分です。あ、始まったなと気づいたらそれを受けとめてそしてゆっくり呼吸に意識を戻してみましょう。呼吸はいつも、今に在(あ)ります。」

 呼吸を意識して今に感覚を戻そうとしてみる。だが、これがなかなか難しい。山口さんによれば、マインドフルネスの瞑想は、心を「無」にする瞑想ではなく、今、起きていることに「気づいていること」。思考のおしゃべりに気づいたら、「あっ、おしゃべりが起こったな」と観察して、そして呼吸に意識を戻すことを繰り返すのだ。