「飲む瞑想」がヒントに

 そんな予習を終えて挑んだセッションが、いよいよスタートした。まずは準備から。座布団を2枚重ね、1枚を半分に折って、その上にお尻を置く。すると骨盤が立ってくるイメージになる。足を下の写真のように置いて、手を膝の上などに自然に置けば準備は完了だ。

座布団を2枚重ね、1枚を半分に折り、その上にお尻を置く
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かかととかかとを一直線に。これが初心者には座りやすい座り方だが、自分が楽な座り方がほかにあればそれでいい
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これが基本の姿勢。骨盤が立ち、その上に背骨を重ねるイメージ。手は膝の上などに自然に置く
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 山口さんの言っていた「体やこころのありようを評価をせずに気づき、慈しむ」とは、もしやこれか? と、その感覚を、わずかながらつかめたのは、最初にやった「飲む瞑想」だった。セッションでは茶托に乗ったお茶が配られたあと、飲む瞑想が始まった。

 「ゆっくりと器を持ち、器から手のひらに感じる感覚に意識を向けてみましょう」

 「香りをかいだり、カップのなかを眺めてみます。何が見えますか?」

 「一口、口に含み、口の中の感覚に意識を向けてみましょう」

 そんな山口さんの言葉を聞きながら、お茶をゆっくり口に含み、しばらく味わったのち、ゴクリと飲み干す。いつもは無意識に1秒もかけずにやっていた「お茶を飲む」という動作が、香りを感じ、口のなかで風味を探り、のどを通って自分の一部となるという場面場面に分解されて、スローモーションで再生されたように感じられた。ここで胸にわき上がってきたのは、自分の身体へのリスペクトだ。実は数日前にやらかした仕事のミスを引きずったまま参加したセッションだったが、ブルーな気分とは裏腹に、自分の身体は複雑な作業を今日もしっかりこなしている。何だかうれしくなった。

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飲む瞑想。器から感じるぬくもりなどに意識を向けてみる。色や匂いなども感じてみる