走りが格段に向上したが、新エンジンに弱点も

 今回、試乗の機会も得たので簡単にレポートしておきたい。

 3ナンバーになったことをネガティブに捉える人もいるかもしれないが、取り回しが悪くなるような影響はなく、車内やラゲッジルームが広くなったことの恩恵のほうが強く印象に残った。もちろん、ゴルフほど広くはないが、従来のポロに感じていた狭さは解消されたのではないかと思う、使い勝手の良さだ。

広くなったぶんの恩恵は感じるが、取り回しが悪くなったと感じない
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 また走りも格段に向上した。従来型もドイツ車らしいしっかりした走りが魅力だったが、新型はボディー剛性が高められた恩恵もあり、ハンドリングや乗り心地も良い。例えば、車体が傾くカーブでもタイヤが路面をしっかりとられているのが感じられ、走りの安心感も強い。唯一気になるのは、新しい1.0Lの3気筒エンジンのちょっとした弱さ。例えば巡行時、もう少し加速が欲しいシーンで軽くアクセルを踏み増したときに非力さを感じることがあるのだ。もちろんさらにアクセルを踏み込めば解決するのだが、エンジンの回転数が上がると今度は唸るようなエンジンノイズが気になってしまう。うるさいとまでは言わないが、心地よくはない音だ。ただ音に関しては、バランサーシャフトレスの3気筒エンジンの宿命かもしれない。通常の走行時なら、パワーやエンジン音などが気になることは少ないと思うが、ドイツ車らしい精密なエンジンを期待するとガッカリする人もいるはずだ。

 とはいえクルマ自体の静粛性は高く、ほとんどのシーンでは静かで快適なクルマではある。そうした細かい注文を付けたくなるのは、MQBの採用で、クラス以上の魅力を備えたからこそともいえる。

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 もはやミニゴルフという表現も決して大げさではないレベルに進化したポロのキャッチコピーは、「カワイイだけで、生き残れる時代じゃないから。」だ。そのぶんガサツになったともいえるエンジンだけが、進化に追い付いていないと感じてしまうのだが、これはコストや燃費対策の結果なのかもしれない。今後、高性能なスポーツモデルの「GTI」などバリエーションが増えるだろうから、気になる人はしばらく様子を見るという選択もある。また上級モデルを狙い、サイズ的な制約がないなら、兄貴分となるゴルフもグレードによって射程距離であることを意識したい。

(文・写真/大音 安弘)