レゴランド・ジャパン(関連記事「名古屋「レゴランド」大解剖! 並ばなくても楽しめる」)に行ったついでに、名古屋駅の売店で定番土産を買うのもいいが、せっかくだから現地で話題のグルメを買って帰りたい。今、名古屋で行列を作っている新グルメが「食パン」そして「わらび餅」だ。

一日150本限定のもちもち食パン

 名古屋で今、行列の絶えないベーカリーが「パンのトラ」だ。2016年12月にオープンして以来、1日平均1000人ほどの来客をキープし続けている。人気の商品は店名を冠した1日150本限定の食パン「パンのトラ」だ。小麦粉を熱湯でこねる製法によって、しっとり、もちもちとした食感に仕上げている。

 「食パンは時間と手間がかかるため、あまり量を作りたがらない店が多い。だが、毎日立ち寄ってもらうベーカリーにしたかったので、食卓への登場頻度が高い食パンを主力にした」とパンのトラを運営するトラムスコープの加藤敦揮社長は話す。

「パンのトラ」は2011年2月、愛知県安城市に1号店をオープン。2016年12月に4 店舗目にして初の名古屋市内出店となる八事(やごと)店をオープンした
「パンのトラ」は2011年2月、愛知県安城市に1号店をオープン。2016年12月に4 店舗目にして初の名古屋市内出店となる八事(やごと)店をオープンした

 製造量を増やすために採用しているのが、欧州製の大型の石窯だ。石窯は一度に大量のパンが焼けるうえ、高温で一気に焼き上げるので生地中の水分が蒸発しにくい。そのため、しっかりと水気を含んだ食パンが作れるという。2014年4月には「24時間で最も販売した焼きたての食パン」のギネス世界記録に挑戦し、認定されて県内で大きな話題となった。

店内ではコーヒーの無料サービスも

 ここ数年、高級食パンを扱う専門店が増えており、1本1000円前後する食パンを売る店も珍しくない。だがパンのトラは幅広い客層に利用してもらえる店を目指し、食パンを1本520円と手が届きやすい価格に設定。店内にはイートインスペースとキッズスペースを設置し、コーヒーの無料提供も始めた。約120種類と商品のバラエティーも多いため、店内での飲食用と持ち帰り用を併せて買う客も多いという。

 すでに出店していた3店舗が好調だったため、「名古屋では高級住宅街として知られる、八事エリア(名古屋市昭和区)に出店した」(加藤社長)という。八事店は新商品のアンテナショップとしても考えており、この店限定で1本2200円の高級食パンを販売。通常の食パンと比べるとかなり高額だが、1日の限定数60本はほぼ毎日売り切れ状態だという。また、パンの種類も他店より20種類ほど増やしているそうで、近くに別の店舗がある客が、わざわざ八事店まで買いにくるということもあるようだ。

 今後は、東京や海外での出店も考えているが、「県外に出店したとしても、車で来店できて、店内にイートインスペースがあるという従来のスタイルを続けたい」と加藤社長は話す。

「パンのトラ」(写真中央、税込み520円。以下、価格はすべて税込み)、「牛乳クリームパン」(右下、230円)、シュトーラBOX(左下、1680円)。ビニール包装されているのが「高級食パン」(2200円)パンのトラ以外は八事店限定
「パンのトラ」(写真中央、税込み520円。以下、価格はすべて税込み)、「牛乳クリームパン」(右下、230円)、シュトーラBOX(左下、1680円)。ビニール包装されているのが「高級食パン」(2200円)パンのトラ以外は八事店限定
「パンのトラ 八事店」名古屋市昭和区広路町梅園8-1。営業時間は7~19時。定休日なし。駐車スペースは50台用意されている
「パンのトラ 八事店」名古屋市昭和区広路町梅園8-1。営業時間は7~19時。定休日なし。駐車スペースは50台用意されている

連日行列ができる名古屋限定わらび餅

 行列ができるお土産としては、2016年3月にオープンした大名古屋ビルヂングに入っている「ツバメヤ」もチェックしたい。

「ツバメヤ 大名古屋ビルヂング店」は地下1階の「大名古屋ダイニング」の入口近くにある。営業時間は11~21時。定休日は大名古屋ビルヂングの休館日に準じる
「ツバメヤ 大名古屋ビルヂング店」は地下1階の「大名古屋ダイニング」の入口近くにある。営業時間は11~21時。定休日は大名古屋ビルヂングの休館日に準じる

 ツバメヤは2010年に岐阜市で開業した比較的新しい和菓子店。どら焼きなど定番の和菓子も扱っているが、全粒粉の小麦、平飼い有精卵などを使用したクッキーやかりんとうが口コミで人気となり、地元の有名店になった。

 大名古屋ビルヂング店限定で販売する「黄金(こがね)わらび」は、本店でも扱う本わらび餅をベースに、甘さに深みを加えるために黒糖を使い、とろけるような食感に仕上げている。毎日11時と17時に時間を限定して販売しているが、毎回50人ほどの行列ができるという。あまりの売れ行きに生産が追い付かず、4月からは当面の間は火曜日の販売を休止することになっている。

 ほかにも名古屋限定の商品として、ほろほろとした食感のサブレにあんこを挟んだ「名古屋あんこサブレ」などが人気だという。

「黄金わらび」(10切入り、939円)。1人5箱まで購入できる
「黄金わらび」(10切入り、939円)。1人5箱まで購入できる
「名古屋あんこサブレ」(1080円)
「名古屋あんこサブレ」(1080円)

 大名古屋ビルヂングのグルメ系のテナントには、愛知、岐阜、三重に本店を置き、商業施設初出店というところも多い。行列に並ぶのに疲れたら、立ち寄ってみるのもいいだろう。

(文/大竹敏之)

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