レゴランド・ジャパン(関連記事「名古屋「レゴランド」大解剖! 並ばなくても楽しめる」)に行ったついでに、名古屋駅の売店で定番土産を買うのもいいが、せっかくだから現地で話題のグルメを買って帰りたい。今、名古屋で行列を作っている新グルメが「食パン」そして「わらび餅」だ。
一日150本限定のもちもち食パン
名古屋で今、行列の絶えないベーカリーが「パンのトラ」だ。2016年12月にオープンして以来、1日平均1000人ほどの来客をキープし続けている。人気の商品は店名を冠した1日150本限定の食パン「パンのトラ」だ。小麦粉を熱湯でこねる製法によって、しっとり、もちもちとした食感に仕上げている。
「食パンは時間と手間がかかるため、あまり量を作りたがらない店が多い。だが、毎日立ち寄ってもらうベーカリーにしたかったので、食卓への登場頻度が高い食パンを主力にした」とパンのトラを運営するトラムスコープの加藤敦揮社長は話す。
製造量を増やすために採用しているのが、欧州製の大型の石窯だ。石窯は一度に大量のパンが焼けるうえ、高温で一気に焼き上げるので生地中の水分が蒸発しにくい。そのため、しっかりと水気を含んだ食パンが作れるという。2014年4月には「24時間で最も販売した焼きたての食パン」のギネス世界記録に挑戦し、認定されて県内で大きな話題となった。
店内ではコーヒーの無料サービスも
ここ数年、高級食パンを扱う専門店が増えており、1本1000円前後する食パンを売る店も珍しくない。だがパンのトラは幅広い客層に利用してもらえる店を目指し、食パンを1本520円と手が届きやすい価格に設定。店内にはイートインスペースとキッズスペースを設置し、コーヒーの無料提供も始めた。約120種類と商品のバラエティーも多いため、店内での飲食用と持ち帰り用を併せて買う客も多いという。
すでに出店していた3店舗が好調だったため、「名古屋では高級住宅街として知られる、八事エリア(名古屋市昭和区)に出店した」(加藤社長)という。八事店は新商品のアンテナショップとしても考えており、この店限定で1本2200円の高級食パンを販売。通常の食パンと比べるとかなり高額だが、1日の限定数60本はほぼ毎日売り切れ状態だという。また、パンの種類も他店より20種類ほど増やしているそうで、近くに別の店舗がある客が、わざわざ八事店まで買いにくるということもあるようだ。
今後は、東京や海外での出店も考えているが、「県外に出店したとしても、車で来店できて、店内にイートインスペースがあるという従来のスタイルを続けたい」と加藤社長は話す。
連日行列ができる名古屋限定わらび餅
行列ができるお土産としては、2016年3月にオープンした大名古屋ビルヂングに入っている「ツバメヤ」もチェックしたい。
ツバメヤは2010年に岐阜市で開業した比較的新しい和菓子店。どら焼きなど定番の和菓子も扱っているが、全粒粉の小麦、平飼い有精卵などを使用したクッキーやかりんとうが口コミで人気となり、地元の有名店になった。
大名古屋ビルヂング店限定で販売する「黄金(こがね)わらび」は、本店でも扱う本わらび餅をベースに、甘さに深みを加えるために黒糖を使い、とろけるような食感に仕上げている。毎日11時と17時に時間を限定して販売しているが、毎回50人ほどの行列ができるという。あまりの売れ行きに生産が追い付かず、4月からは当面の間は火曜日の販売を休止することになっている。
ほかにも名古屋限定の商品として、ほろほろとした食感のサブレにあんこを挟んだ「名古屋あんこサブレ」などが人気だという。
大名古屋ビルヂングのグルメ系のテナントには、愛知、岐阜、三重に本店を置き、商業施設初出店というところも多い。行列に並ぶのに疲れたら、立ち寄ってみるのもいいだろう。
(文/大竹敏之)