いつかはバルセロナへ…

 辻さんの出身地は、多くの伝統工芸が生まれ育った京都。それだけに、モノ作りに対するこだわりは強い。アメリカに渡った当初は、アメリカ人の仕事ぶりに愕然としたという。

 「5時になるとさっさと帰っちゃうし、黙々と仕事をする態度や、クオリティを追求する姿勢があまり感じられなくて。やっぱり日本人の丁寧さはすごいと思いました」

 日本への愛着はもちろんある。それでも辻さんは、もう日本には戻れないという。

 「なんていうんだろう……やっぱり、アメリカはあらゆる点でスケールが違うんです。映画の世界もそうだったし、土地は広いし、お金持ちの金の使い方もハンパない。それが、可能性の大きさにつながっているような気がするんですよね。日本は狭いから、どんなに頑張ってもしょせん日本の中、という気がして。むしろいまは、ほかの国も見てみたいという思いのほうが強いです」

 そんな辻さんにとって、現在住みたい町のナンバーワンが、スペインのバルセロナ。芸術家としてもう少し知名度を高めたら、移り住むつもりだ。

 「何といっても、ガウディを生み、ピカソやダリなど、多くの才能ある芸術家が足跡を残した場所ですからね。ぜひそこで作品を作りながら、自分の生きた証しを残したい」

“三度目の正直”で、ついに海外で夢をかなえた辻さん
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