言葉や思考より先に動くべし

 辻さんは年に一度、日本で特殊メイクに関するワークショップを開いている。日本の若者たちに接して思うのは「熱意の無さ」だ。

 「なりたいものや、やりたいことは、みんなそれなりにあるし、口では言うんです。いまは情報社会だけに、知識も持っている。でも、それを実際の努力に結び付けていないという感じがします」

 さらに、「人前で講義を行っている自分が言うのもなんですが」と前置きをして、続ける。

 「極論を言えば、自分の話を聞きに学校に来ている時点でダメかもしれないですよね。本当に海外で仕事がしたいと思っているなら、自分なりの方法を見つけてすでに飛び出しているはず。目標と熱意があって、なおかつ言葉や思考より先に行動しちゃうような人でないと、海外ではつぶされてしまう可能性が大きいと思います」

 熱意の有無は、「単にそれが好き」なのか、それとも「好きで好きでしょうがない」のかの違いなのだと、辻さんは言う。

 「単に好きなだけの場合は、どこかに所属して、人に使われる身で終わる可能性が高い。好きで好きでしょうがない場合は、体が勝手に動いて、自分に最適な居場所を見つける行動に出ているような気がします」

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