登山者の志向や登山スタイルの多様化が進み、なかでも今「ファストパッキング」というスタイルが注目を浴び始めている。

 ファストパッキングの軸となるのは「荷物を軽くして、長い距離を快適に歩く」こと。荷物を軽量化することで歩くペースが上がり、その結果、限られた時間のなかで、より長い距離の歩行を可能にする、という考え方だ。

 また単に歩くだけではなく、ときにはランニング要素を含むのもファストパッキングの特徴。「宿泊を伴うトレッキング」と「トレイルランニング」が融合した分野というと、イメージしやすいかもしれない。ただファストパッキングという分野はまだ確立されたとは言いにくく、メーカーによって異なる定義をうたっていることもある。とはいえ、新潮流として期待が高まっているのはたしかだ。

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1泊2日のコースが日帰りコースになる!?

 では、ファストパッキングの魅力とはいったい何か。

 例えば土日休みのハイカーが登山に出かけるとすると、選択肢は最大でも1泊2日で歩き通せるルートに限られる。しかし、もし通常のコースタイムの1.5倍や2倍のスピードで歩くことができたら、本来2泊3日や3泊4日かかる長距離ルートにも挑戦できる可能性が出てくる。あるいは1泊2日のルートだって日帰りで歩ければ、余った1日はほかの趣味の時間や家族サービスにあてられるのだ。

 ファストパッキングによって行動範囲や視野が広がり、それが充実感や達成感につながっていく。そういう意味では、時間に追われる多忙な現代人にとって、理にかなった登山スタイルともいえるかもしれない。

 ここ最近は各アウトドアメーカーからファストパッキングを意識したアイテムが次々に登場しており、これからの盛り上がりに期待が膨らむ。

 そこで今回は「バックパック」「シューズ」「ウエア」部門から、筆者が「これは取り入れてみたい」と思ったファストパッキングアイテムを紹介する。