コクヨ式整理術。片付けが目的ではなく使いやすく整える
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 日本を代表する文具、オフィス家具、事務機器メーカーのコクヨ。ビジネスパーソンの職場環境を熟知する同社が提唱するのが、オフィス回りの整理術「コクヨ式」だ。

実際のオフィスをショールーム代わりに

 同社では50年近く前から、実際に社員が働いているオフィス空間を見せる「ライブオフィス」という取り組みを行っている。自社の商品をどう使うのか、ショールームからさらに一歩踏み込んだ形で相手に伝えられるうえに、顧客や現場社員から商品をよりよくするためのフィードバックも得られる。

 こういった取り組みで得た知見を生かしつつ、オフィス環境を研究、改善するため、2012年に設立されたのが同社のワークサイトラボ。コクヨ式はここから生まれたものだ。

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コクヨファニチャー事業本部「WORKSIGHT LAB.」主幹研究員 齋藤敦子氏 2012年に「WORKSIGHT LAB.」を立ち上げ、「コクヨ式」を提唱。働き方の研究およびソリューションの開発などを行う

 コクヨ式は単なる片づけ術ではない。「片づけのプロではなく、ビジネスパーソンの知的生産をいかに高めるかが主題」とワークサイトラボ主幹研究員の齋藤敦子氏は話す。

 片づけは「机の上がきれいになればいい」という目的になりがち。そうではなく、必要なものにすぐにアクセスできて、スムーズに仕事が行える環境が理想。そのために机や引き出しを「整える」という考えを持つべきなのだ。

理想は「すし屋のカウンター」

 齋藤氏が語る仕事場の理想は「すし屋のカウンター」。寿司ネタや道具などが整然と置かれ、職人の所作にムダがない。これがコクヨ式の目指す“究極形”となる。

 整理の基本となるのは、引き出し(キャビネット)の使い方だ。ルールは、「1段目に文具」「3段目にファイル」の2つ。まず、常に使う文具は机の上に出しておくべき。引き出しにしまい込むのではなく、「すぐ使えるように出しておく」のも整え方の一つだ。その次に使うものを1段目に入れ、必要以上に持たないことが大切だ。

 コクヨ式の真骨頂は3段目。ファイルやボックスを駆使し、4ステップの「ボックスファイリング」を体得すれば、書類を非常に管理しやすくなる。主なポイントは「できるだけ小分けにする」「使ったら必ず手前に」の2つ。定期的なメンテナンスは欠かせないが、ぜひ取り入れたい。

自席は楽しくなければいけない

 コクヨ式で覚えておくべきことは他にもある。「自席は楽しくなければいけない」という発想だ。

 外回りの人を除けば、ビジネスパーソンは1日8時間以上、オフィスの机に向かうことになる。8時間といえば、自宅のリビングにいるより長い時間だ。これを雑然とした環境で漫然と過ごすのか、楽しい場所に作り替えていくのか。「真面目な日本人は、オフィスで楽しむことに違和感を覚えがち」(齋藤氏)だが、この考えを改めるだけでも、整理が楽しくなり、あなたの自席は大きく変わるはずだ。

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