TSUTAYA(ツタヤ)は2018年2月19日、“猫”をテーマにした雑貨の新ブランド「Necott Store(ネコットストア)」を発表した。「猫の日」として知られる2月22日より、全国の「TSUTAYA」と「草叢BOOKS」の27店舗で販売を開始する。2017年に発表したプライベート文具・雑貨のブランド「HEDERA(ヘデラ)」と「Lelierre(ルリエル)」の第2弾として、30~40代の女性をメーンターゲットとする。
ネコットストアは、「日々の暮らしに、ねこを。」をコンセプトに、デザイナーの小櫻美晴氏が描く猫のキャラクター「たまお」をモチーフにしたグッズを展開。猫好きの女性はもちろん、今までは猫に興味がなかった人や、男性までも視野に入れ、幅広い層が欲しくなるような雑貨ブランドを目指した。
開発担当者の「猫愛」で実現した、シンプルでかわいい猫グッズ
同ブランドの開発プロジェクトがスタートしたのは2017年2月。「猫の雑貨を作りたい」という想いから、社内でも猫好きで有名だった文具雑貨カンパニー・商品企画ユニット・文具MDチーム・リーダー兼ねこ担当の米沢裕行氏を筆頭に、社内の猫好きメンバーが集結し、開発に取り組んだ。猫をテーマにした雑貨を推進する背景には、単なる猫好きという側面だけでなく、マーケティング的に理由がある。
「『ネコノミクス』という言葉もあるように、日本における猫人気はかなり根強い。新しく猫を飼い始める人も増えてきており、2017年に発表されたペットフード協会の『全国犬猫飼育実態調査』では、猫の飼育数が犬の飼育数を上回ったとして話題になった。また、日本で飼育されている猫のほとんどは雑種なので、犬種が重視される犬よりも、グッズ展開しやすいのも魅力だった」(米沢氏)と言う。
開発チームは、ツタヤで販売している雑貨の過去の売り上げデータを分析し、どのような猫グッズを作るかを検討。そこで目を付けたのが、「男性でも欲しくなるような猫グッズ」だった。「既存の猫グッズを眺めていると、ファンシーなものやフェミニンなものが多く、男性でも持てるようなものが少なかった。ありそうでない市場だったと確信した」(米沢氏)。
デザイナーの小櫻美晴氏が描く、3歳の猫の男の子「たまお」。本とコーヒーとギターが大好きで、いつもツタヤや草叢BOOKSに来ては本を読んでいるという設定の中にも、ツタヤを感じさせるアイテムを盛り込んだ。
とはいえ、ネコットストアのメーンターゲットは、ヘデラとルリエル同様、30~40代の女性。彼女たちの好みにも合うように、商品自体の品質にもこだわった。「良い物を作る」という軸は変えずに、今までにはなかった市場として猫雑貨をアピールしていく。
ラインアップはサイズ違いなども含めて全9種類。「ウォッシュキャンバストート」(Mサイズ1728円、Sサイズ1512円、税込み、以下同じ)、「キャンバストート」(Mサイズ1188円、Sサイズ1080円)、「今治タオルハンカチ」(各972円)、「コーヒー缶」(各1512円)、「ステンレスボトル300cc」(3132円)。
タオルハンカチは愛媛県今治市別宮町の老舗タオルメーカー「藤高」、コーヒー缶は台東区・浅草橋の老舗茶筒メーカー「加藤製作所」とコラボするなど、自分らしさや丁寧な暮らしを求める人たちに向けて、飽きの来ないプロダクトを取りそろえた。第1弾の売れ行きが良ければ、ギターを持ったパターンなども開発する予定だ。
(文/近藤彩音=ライター)
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