この記事は「日経トレンディ」2016年2月号(2016年1月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 2015年、映画『ジュラシック・ワールド』が興行収入で年間1位となる大ヒットを記録した勢いを借り、2016年は「恐竜」がレジャーの主役に躍り出る。

 最大の注目は2016年3月18日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ジュラシック・パーク」エリアにオープンする新型ジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」だ。一般的な座るタイプとは異なり、体を下に向けたうつぶせの体勢で進むフライング・コースターで、コースの全長は1124m、最大高低差は約40m。そのいずれもフライング・コースターとしては世界最長・最大だという。コースの途中で360度回転するなどこれまでにない迫力が味わえ、14年オープンのハリー・ポッター・エリアに続くヒットとなるのは確実だ。

 このほか、3月8日からは「恐竜博2016」が国立科学博物館で開催される。前回の「恐竜博2011」は55万人以上を動員し、2011年の展覧会トップを記録。今回は、全長15mにも及ぶ史上最大の肉食恐竜「スピノサウルス」の復元骨格を筆頭に、日本初公開の展示が多数用意され、大混雑は必至だろう。

交通【春】
【3月】 北海道新幹線が開業
3月26日に北海道新幹線の新青森─新函館北斗間が開業。東京─新函館北斗間が、最短4時間2分で結ばれる。JR北海道は、新青森─新函館北斗間の利用を往復で1日5000人程度と見込む
《注目》首都圏を走る「レストラン列車」
主要駅発の手軽さで人気に

【4月】 西武鉄道の新型観光列車が運行
西武鉄道が全席レストラン車両の「西武 旅するレストラン 52席の至福」を4月17日から運行する。区間は池袋・西武新宿─西武秩父駅間などを予定。ターミナル駅から手軽に利用できるので、人気を集めそう。インテリアデザインは建築家の隈健吾氏が担当する
【4月】 上越─糸魚川間を走る「えちごトキめきリゾート雪月花」
 上越─糸魚川間を走る「えちごトキめきリゾート雪月花」(4月23日から)では地元食材を使ったフルコース料理を提供。
雪月花の料理はミシュランガイド二ツ星を獲得した飯塚隆太氏が考案
《注目》日本最多の展示車両数
年間100万人以上を動員

【4月】 京都鉄道博物館
展示車両数が53両という日本最多の鉄道博物館が4月29日、京都にオープン。敷地内には転車台や線路があり、体験乗車もできる。初年度の来館者目標数は134万人


テーマパーク【春】
【2月~】
「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・
コンティニュー」スペシャルバージョン

「スター・ウォーズ」シリーズを基にした、東京ディズニーランドのシミュレーション型アトラクション。2月2日~9月7日は、最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のシーンを加えたスペシャルバージョンが実施される
(C)Disney (C)& TM Lucasfilm Ltd.
(C)Disney (C)& TM Lucasfilm Ltd.
《注目》ヒット確実のフライング・ジェットコースター
【3月】 ザ・フライング・ダイナソー
USJ開業15周年プロジェクトの第1弾。体を下に向けた状態で進むフライング・コースターで、コース途中には360度回転する箇所もある。これまでにはないスリルを味わえそうだ。ハリー・ポッター・エリアに続き、大行列となるのは必至
(R)&(C)Universal Studios & Amblin Entertainment (C)&(R)Universal Studios. All rights reserved.
(R)&(C)Universal Studios & Amblin Entertainment (C)&(R)Universal Studios. All rights reserved.
【3月】 「恐竜博2016」
東京・上野の国立科学博物館では「恐竜博2016」を開催。
恐竜博ではスピノサウルスの最新復元骨格を日本初公開。3月8日から6月12日まで。写真提供/シカゴ大学(撮影:Mike Hettwer)
恐竜博ではスピノサウルスの最新復元骨格を日本初公開。3月8日から6月12日まで。写真提供/シカゴ大学(撮影:Mike Hettwer)
【4月】 スヌーピーミュージアム
4月23日から2018年9月までの期間限定で、東京・六本木に開館。コミック『ピーナッツ』の原画などが、6カ月ごとに入れ替えて展示される。カフェスペースも併設
(C)2015 Peanuts Worldwide LLC
(C)2015 Peanuts Worldwide LLC
ディズニーシーとUSJがともに開業15周年
 両パークとも1年を通じて大規模なイベントを実施する。東京ディズニーシーの目玉の一つは、7月9日スタートの新ミュージカルショー「アウト・オブ・シャドウランド」。来場者数が大幅に増加しそう。
東京ディズニーシーでは16年4月15日から17年3月17日まで「東京ディズニーシー15周年“ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ”」が開催される。(C)Disney
東京ディズニーシーでは16年4月15日から17年3月17日まで「東京ディズニーシー15周年“ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ”」が開催される。(C)Disney


ホテル・施設【春】
《注目》ホテル不足の解消なるか?
仲介サービスも活発化

【1月】 東京・大田区で民泊が解禁
訪日観光客の増加でホテル不足が社会問題となっている。解消策として注目される「民泊」が、全国に先駆けて東京・大田区で解禁される。「STAY JAPAN」(上写真)など仲介サービスも増加
【3月】 MARINE&WALK YOKOHAMA
赤レンガ倉庫に隣接する、横浜みなとみらい21新港地区に3月4日開業予定のオープンモール。アメリカ西海岸発のセレクトショップ「Fred Segal」の日本旗艦店などが入る。ウエディング会場も併設される
【3月】 大名古屋ビルヂング
3月9日、名古屋駅前にオープンする地上34階、地下4階の新施設。物販・飲食エリアには、三越伊勢丹グループの新業態「イセタンハウス」など74店舗がそろう
【5月】 伊勢志摩サミット開催
5月26~27日、三重県志摩市賢島で主要国首脳会議(サミット)が開催。春に開業の外資系ホテル「アマネム」(下写真)など、16年は伊勢志摩エリアに高級ホテルが複数開業する。サミットの話題性と相まって観光客が増える


北海道新幹線だけじゃない! “鉄道ネタ”が目白押し

 もう一つ、大きな盛り上がりを見せるのは「鉄道」だ。東京―新函館北斗間を約4時間で結ぶ北海道新幹線が3月26日に開業。4月29日には、日本最大級の「京都鉄道博物館」がオープンする。展示車両数は53両で、SLから500系新幹線、昨年3月に引退した寝台列車「トワイライトエクスプレス」まで、運営するJR西日本の車両がずらりと並ぶ。運転士が実際に使用する訓練シミュレーターを使った仕事体験コーナーも用意され、鉄道ファン以外のファミリー層も集客しそうだ。JR西日本では、「リニア・鉄道館」(名古屋市)を超える年間134万人の来館を想定する。

 新たな観光列車が相次いで運行されるのも見逃せない動き。なかでも今年は、沿線の特産品などを用いた食事を提供する“美食列車”が各地で採用される。西武鉄道は4月に、全席レストランの列車を投入。ゆったりとしたシートで食事が楽しめる「オープンダイニング」車両に加え、シェフが目の前で調理する「オープンキッチン」車両もある。運行区間は池袋・西武新宿―西武秩父間などを予定。主要ターミナル駅発の食事を提供する観光列車は珍しく、気軽に利用できるのが売りだ。

交通【夏・秋】
【夏】 コスタクルーズが日本発着クルーズ運航
格安でアットホームな雰囲気が売りのコスタクルーズが初めて、日本発着クルーズを自主運航。福岡や舞鶴など国内4港と釡山を5泊6日で巡る。「クルーズプラネット」などで申し込みが可能
【9月以降】 近鉄の新型観光列車が運行
9月10日、大阪阿部野橋(天王寺)駅と吉野駅を結ぶ近鉄南大阪線・吉野線で観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」の運行を開始。座席はすべて2列+1列のデラックスシートで、バーカウンターを備えたラウンジ車両も用意される
3両1編成で、中間の2号車がラウンジスペース。車内では、沿線の特産物を使用した食事が提供される
3両1編成で、中間の2号車がラウンジスペース。車内では、沿線の特産物を使用した食事が提供される


 7月には、名古屋市緑区の大高緑地内に「ディノアドベンチャーライド名古屋」が開業する。これは、イグアノドンやトリケラトプスなど約30体の実物大の恐竜模型が立ち並ぶ樹林内を、カートに乗って巡るライド型アトラクション。恐竜模型が動いたりほえたりする仕掛けで、こちらも迫力十分だ。

テーマパーク【夏】
【7月】 ディノアドベンチャーライド名古屋
名古屋市緑区にある緑地公園「大高緑地」内にオープンする探検型アトラクション。トリケラトプス(下画像)など、動いてほえる実物大の恐竜模型が30体程度配置された樹林内を、カートに乗って探検する


2020年に向けた動きも活発化

 また今年は、2020年の五輪を控えた東京が様変わりする。複合施設では、グランドプリンスホテル赤坂跡地に「東京ガーデンテラス紀尾井町」などがオープン。大手町には、全館畳敷きの日本旅館「星のや東京」が開業する。

ホテル・施設【夏・秋】
【7月】 星のや東京
7月20日、ビジネス街・大手町で、星野リゾートが本格日本旅館を開業予定。玄関で靴を脱ぎ、館内は入り口から客室まですべて畳敷きになっている。周辺の外資系ホテルと一線を画すスタイルで話題を集めそうだ
注)写真はイメージ
注)写真はイメージ
【夏】 東京・赤坂に「東京ガーデンテラス紀尾井町」
工事が進む「東京ガーデンテラス紀尾井町」。7月27日オープン予定
工事が進む「東京ガーデンテラス紀尾井町」。7月27日オープン予定
【10月】 京橋エドグラン(京橋二丁目西地区再開発事業)
東京メトロ銀座線京橋駅に直結する新施設が開業。地上32階、地下3階建てで、食品ストア「明治屋」などが入る商業ゾーンとオフィスエリアで構成される
【11月】 豊洲新市場
築地市場の移転先として整備が進められている豊洲新市場が11月7日に開場。観光客にも人気の築地場外市場は、そのまま築地に残る
写真提供/東京都中央卸売市場
写真提供/東京都中央卸売市場


(文/日経トレンディ)


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