新しいものが好きな日本の消費者が反応

 ヴァローナ・ジャポンが製菓市場をターゲットとするのに対し、ネスレ日本は一般消費者を狙っている。新しいカテゴリーの商品を投入するにあたってキットカットを使ったのも、同社の商品として認知度が高いからだろう。ネスレ日本 コンフェクショナリー事業本部ビジネス開発部の竹内雄二部長は「新しいチョコレートを求めている消費者に対し、チョコレートへの関心が高まるバレンタインデーのタイミングに合わせて開発のスピードを上げた」と話す。

 ネスレ日本も「一般的な認識として、これまでのチョコレートはブラック、ミルク、ホワイトの3種類」(竹内部長)と考え、ルビーチョコレートは今までのチョコレートにはない特徴を持つ新しいカゴテリーとしている。コミュニケーションは異なるが、どちらもターゲットに向けて新しい種類のチョコレートであることを強調している点では同じだ。

 だが、ネスレ日本もヴァローナ・ジャポン同様に“第4のチョコレート”というキャッチフレーズは用いていない。また、全国チョコレート業公正取引協議会によると、日本においてはチョコレートと表示するために最低限必要なカカオなどの量を定めた規格はあるが、カテゴリーに関する公式な決まりはないという。

 いったいなぜ、“第4のチョコレート”という言葉がネット上で独り歩きしたのだろうか。

キットカット ショコラトリー サブリム ルビーは酸味の強いカカオ豆につきものの雑味が全くなく、まるで果汁が入っているかのようなフルーティーな味わい
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ヴァローナ ブロンド フェーブ ドゥルセにはほのかな塩味と香ばしさがあり、塩キャラメル風味のビスケットのような後味を感じた
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 推測される理由は2つある。まず1つは、海外でブロンド、ルビーが発表された際に“第4の”というフレーズが使われたことだ。そうしたフレーズがそのまま直訳され、広まった可能性がある。もう1つは、新しいものが好きという日本人特有の消費者心理だ。チョコレートはフルーツの風味を加えるなど、味にバリエーションがつけやすい。そのため、バレンタイン商戦に向けて新しい種類のチョコレートが毎年のように登場している。そんななか、既存の3種類のバリエーションではないブロンドとルビーが登場したことに、消費者が大きく反応したとも考えられる。

 確かに“第4のチョコレート”というフレーズには、専門的な説明がなくてもコンセプトの新しさを一言で伝えられる分かりやすさがある。チョコレート関連の新商品があまりに多く、メーカー側が消費者に新しさを伝えるのが難しい時代だからこそ、“第4のチョコレート”の分かりやすさが受けたのかもしれない。

(文/桑原恵美子)

■変更履歴
初出では「日本チョコレート工業協同組合」とありましたが、正しくは「全国チョコレート業公正取引協議会」でした。お詫びして訂正いたします。該当箇所は修正済みです。[2018/02/13 18:48]