人気役者を見に行くというスターシステムが主流だった日本の演劇業界に、作品のファンを劇場に向かわせる=コンテンツ重視の流れをつくった2.5次元ミュージカル。2次元で描かれたマンガやアニメの世界を、3次元の俳優たちが歌やダンスを交え舞台化したものだ。

 ブームの火付け役である“テニミュ”ことミュージカル『テニスの王子様』の公演タイトルはいまや120作を超え、現在、3rdシーズンが公演中。ほかにも、『刀剣乱舞』『文豪ストレイドッグス』『黒執事』『おおきく振りかぶって』…と、人気マンガ原作の舞台は百花繚乱で、昨年は日本テレビがドラマと連動させるなど、演劇業界だけでなく、テレビ・音楽業界の2.5次元ミュージカルへの期待も大きい。

 また、東京・渋谷に登場した専用劇場「アイア 2.5 シアタートーキョー」は、訪日外国人といった海外のファンに向けて英語、中国語など多言語に対応しているのが大きな特徴だ。

 日本発の新しい演劇ジャンルとして、内外から熱い視線を集める2.5次元ミュージカル(注)。その1つ『2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ』(『ツキステ。』)で劇中歌を担当するのが、ロス在住の作曲家・端山奏子さんだ。名門桐朋学園大学作曲専攻を経て、バークリー音楽大学映画音楽専攻卒業後、ロスに拠点を移し作曲家として活動している。いわばクラシックの王道を歩んできた端山さんが、なぜ日本で独自の進化を遂げてきた2.5次元ミュージカルの音楽を手がけるようになったのか。そもそも2.5次元ミュージカルの音楽はどのようにしてつくられるのか、話を聞いた。

端山奏子(はしやま・かなこ):1988年、愛知県名古屋市生まれ。4歳からピアノ、7歳から作曲を始める。桐朋学園大学作曲専攻を卒業後、奨学金でバークリー音楽大学へ入学。2016年、映画音楽作曲科を卒業。バークリー大学在学中、Berklee Silent Film Groupのメンバーとして無声映画『Variete』の作曲、指揮を担当。これまでにボストンやサンフランシスコの映画祭で上演。現在はロサンゼルスに拠点を移し、作曲家、編曲家、ピアニスト、ミュージカルの音楽監督兼伴奏者として活動する。好きな映画音楽の作曲家はジョン・ウィリアムズ、バーナード・ハーマン、トーマス・ニューマン。日本の2.5次元ダンスライブ『ツキステ。』第4~第5幕の劇中曲を担当
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2017年11月に上演された2.5次元ダンスライブ『ツキステ。』第5幕『Rabbits Kingdom』
注…2014年3月には日本2.5次元ミュージカル協会が設立。2.5次元ミュージカルの先駆者でもある舞台制作会社・ネルケプランニング代表、松田誠氏が代表理事を務める。