ヘラブナサイクルズのさりげなく自慢できる実用自転車

 東京都港区にあるヘラブナサイクルズは、新進気鋭の若手ビルダー。ガチガチのレーシングモデルではなく、街乗りのための実用的なスポーツサイクル、つまりコミューターバイクを得意としている。

ボトルケージを装備しないことを前提にしており、台座のボルト穴には切削加工で作った専用のボルトを装着。分かる人が見れば「おっ」と思うような工作がそこかしこに用いられている
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 出展された「ジ・アーバン・グラインダー」(上の写真の上のモデル)と「ジ・アーバン・エランド」(同写真の下のモデル)は一見フロントキャリアを装備した実用自転車のようだが、細かなパーツにメッキをかけたり、ボトルケージ(ドリンクボトルを差し込むために自転車のフレームに取り付ける部品のこと)台座のボルトを削り出しにしたりと、隅々にまでこだわって仕上げられている。カフェに乗り付けて、さりげなく自慢できるというのがコンセプトで、こうしたスタイリッシュで手の込んだコミューターバイクは今、コアなサイクリストの間でちょっとしたトレンドとなっている。

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ステムと一直線にするためトップチューブの位置を高くした自転車

普通のロードバイクと比べて明らかに異質なヘッド周りのデザイン
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 一見しただけで普通でないこの自転車は、フレームビルダーを養成する専門学校、東京サイクルデザイン専門学校(東京都渋谷区)の生徒が手がけたもの。

 最大の特徴はフレームのトップチューブ(上辺)とステム(ハンドルバーと車体を繋ぐ部品のこと)が一直線になるようにデザインされていること。ハンドルの位置を下げるのではなく、大胆にもトップチューブの位置を高くしてしまう発想が面白い。機能面よりルックスのインパクトを狙った造形だが、これもまたハンドメイドバイシクルの魅力である。製作者に最も苦労した点を聞いたところトップチューブの「く」の字になった部分の溶接とのこと。完成車の重量は8.7kgで、完成までに約4カ月を要したそうだ。

トップチューブの位置が高いことで相対的にハンドルバーが低く見え、精悍な印象がいっそう強まる
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