近年、ペットの皮膚炎から食物アレルギーが発覚するケースが増加。これに対応する病院も拡大中だということは前回、前々回でお伝えした。

 そして人間同様、ペットのアレルギーが判明した場合の治療および予防のために重視されるのが「スキンケア」だ。人間の場合、保湿がアレルギー発症の予防になることが乳幼児の段階から強く推奨されているが、「ペットの場合、まだまだスキンケアの重要性が広まっていない」と日本動物医療センター(JAMC)グループ麻布十番犬猫クリニックの島田健一郎院長(日本獣医皮膚科学会認定医、獣医学博士)は指摘する。

 最新の動物アレルギー検査とその対応、予防について3回にわたって紹介するこの企画。最終回は予防につながるスキンケアの重要性について話を聞いた。

【前回までの内容】
■ペットがアレルギーを発症? 検査拡大の理由
■ペットのアレルギー検査 ニーズに課題

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ペットのアトピー、“スキンケアの重要性”に注目

 島田院長は犬猫の皮膚科診療を日々専門的に行いながら、大学院時代からの研究テーマである「犬猫の皮膚バリア機能」の研究を臨床に生かしている。以前は「アレルギーの原因は、生体の免疫システムの異常」だけと見られていたが、人間のアレルギーの研究が進み、肌のバリア機能の低さも原因の一つであることが分かってきたのだという。

 「もちろん、犬や猫のアレルギーの原因として免疫システムの問題が基本としてあるのは変わらないが、それだけでは説明がつかない部分があったり、免疫の方面からアプローチするだけでは管理できないアトピー性皮膚炎(以下、アトピー)があったりする。そのため、犬猫でも『免疫学的機序以外の原因もあるのではないか』と考えられるようになってきており、特にペットのアトピーについては、人間と同じように“スキンケアの重要性”が注目され始めている」(島田院長)

 だがスキンケアといっても、多くのペットは毛に覆われている。どうスキンケアを行うのか。