2016年は、デジタル一眼や高級コンパクトなど高性能モデルを中心に魅力的なデジカメが多数お目見えし、写真ファンに高く評価された。そこで、各社の新製品を試用&購入する機会の多いカメラマンに、高い評価を与えたベストデジカメ3台を厳選してもらった。2016年に発売したデジカメ、もしくは2016年にカメラマンが購入したデジカメを対象とした。今回は、落合憲弘カメラマンと吉村 永カメラマンの2名のチョイスを紹介しよう。

【落合カメラマン:第1位】オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」

 これは、ミラーレス機が抱えていた“弱点”を見事、克服したことに対する評価であり、賞賛であり、購買意欲の盛り上がりなのです。正直、ここまで良くなっているとは思わなかった。「期待したほどじゃなかったな……」よりも「思っていたよりよかった~♥」のほうが、いろんな意味で刺激は強いということをあらためて思い知らされたワケで、ナニはトモアレ「うわ、これ欲しいぞっ!」と直感したものをここで1位に推さないわけにはいかないのです!

オリンパスが2016年12月に発売したフラッグシップモデル「OM-D E-M1 Mark II」。ボディー単体モデルの実売価格は21万8000円前後だが、現在多くの販売店では在庫を切らしており、次回入荷未定としているところが多い
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 何に驚いたって、動体に対するAFの仕上がりがイチバン。掛け値ナシに「ほぼ一眼レフなみ」になったといっていい。「ほぼ」なのは、例えばニコンD500なんかと比べちゃうと、こと動体に対するピントの精度に関してはまだ半歩ほど譲るものがあると感じているからなのだけど、並みの一眼レフが相手なら、連写性能を含め、スコンと軽くノックアウトすることも不可能ではないレベルの動体対応能力を有しているのは確か。しかもファインダーは、連写時の視認性(ファインダーで捉えている動体の視認性)に関し、光線状態によってはD500以上の見やすさを感じることもあるハイレベルなEVFだ。総合力では、一眼レフと完全に肩を並べた(あるいは越えた)と判断しても差し支えない印象なのである。

 ホールディング性を増したグリップ形状や、微に入り細を穿つかのような操作系の見直しにも、E-M1後継機としてのあるべき姿を追求してきた開発陣のクソマジメ(もちろんよい意味です)な姿勢がうかがえる。とりわけ、背面のレバーに電源スイッチ機能を割り振れるところは「片手操作」の完結には欠かせない“進化”だ。まぁ、私個人としては、初代E-M1のときから同レバーには「S-AFとC-AFの切り換え」を割り当てているので、「電源を入れるときは両手操作」の呪縛から逃れることはできそうにないのだけど。

 E-M1 Mark IIの登場によって、一眼レフvsミラーレス機の勢力図は、その塗り分けラインをこれまで以上に大きく動かしたような気がする。いまは、絶対性能の高さより伸びしろの大きさが魅力的に見える時代なのかも? そんなことも思わせるE-M1 Mark IIなのである。

最大の魅力は高速性とAFの動体対応能力向上だけど、操作性や画作り(高感度画質含む)にも、AFほど大幅にではないもののちゃんと進化がある。“後継機”として正しく理想的な仕上がりを見せているからこそ琴線に触れるのだ(M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO使用、ISO200、1/40秒、F7.1、300mm相当)
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