2017年も、ミラーレス一眼やデジタル一眼レフ、高級コンパクトを中心に魅力的なデジカメが多数お目見えし、写真ファンに高く評価された。そこで、各社の新製品を試用&購入する機会の多いカメラマンに、高い評価を与えたベストデジカメ3台を厳選してもらった。2017年に発売されたデジカメ、もしくは2017年にカメラマンが購入したデジカメを対象とした。三井公一カメラマンと落合憲弘カメラマンに続き、最後は吉村永カメラマンのチョイスを紹介しよう。

【吉村カメラマン:第1位】ソニー「α7R III」

 2017年のデジタルカメラ業界を俯瞰すると、やはりミラーレス一眼が本格的な撮影に対応し、メインカメラとしての性能と使い勝手を実現したことが個人的には大きなトピックだった。

 その中でも光る存在だと感じられたのが、ソニーのフルサイズミラーレス一眼「α7R III」だ。実際、α7シリーズはプロの間でも急速に広まっており、記者会見やタレントの合同撮影日にも現場で使用するカメラマンの姿がこの1年でぐっと増えたと感じる。

ソニーが2017年11月に発売したフルサイズミラーレス一眼「α7R III ILCE-7RM3」。ボディー単体モデルの実売価格は37万円前後だが、量販店では入荷待ちの状況が続く
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 その理由は、軽量コンパクトであることももちろんだが、フランジバックが短い設計のフルサイズ機のため、マウントアダプターを介せば異なるマウントの他社製レンズが使えることも人気の要因といえる。

 自分は、普段はキヤノンのEOSシリーズの一眼レフでシステムを組んで仕事をしているのだが、αならばシグマのマウントコンバーター「MOUNT CONVERTER MC-11」(実売価格は2万6000円前後)を介すことで、キヤノンEFマウントのほとんどのレンズがAF(オートフォーカス)で使えるのだ。使用頻度の低いレンズは、ソニー純正品をあわてて買いそろえる必要がない点が気に入った。メインカメラは変えないまま、サブカメラとしてαを携行すれば、レンズの多くが共用できるのも魅力だ。

 さて本題のα7R IIIだが、αのフラッグシップモデルであるα9よりも個人的には評価している。α9は、秒間20コマもの電子シャッター連写が可能なモデルだが、メカニカルシャッターは基本的にα7 II世代の印象を受ける。シャッター音が間延びした感じでキレが今ひとつであり、連写コマ数も秒間5コマにとどまる。α7R IIIではメカシャッターが大きく改良され、キレのいいフィーリングと秒間10コマを実現している。

 もちろん、4240万画素という高解像度モデルなのだが、それを意識させないレスポンスと使い勝手も備えるのだ。キレのいいシャッターフィーリングで連写もでき、さらにRAW+JPEGというファイルサイズが大きくなる条件であっても70コマ以上のバッファメモリーが用意されているので、テンポよくシャッターを切る必要がある人物撮影でもストレスなく撮影が楽しめる。

 高解像度ながらスピードも妥協しない万能モデルとして、完成度の高いカメラだと感じた。

α7R III体験会での1枚。ビビッドながらリアルな発色と、輪郭部にいやな強調の見られない自然な解像感を両立している。先代のα7R IIよりも、撮って出し時の発色がより深みを増した印象だ(FE 85mm F1.4 GM使用、85mm相当、ISO400、1/200秒、F5.6)
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