このように考えていくと、投資回収にも相当な時間を要することが想定される。最終的には事業を売却してしまえばリターンを得られるという見方もあるかもしれないが、今回の指針案には「既存移動通信事業者へ事業譲渡等をした場合は開設計画期間中であっても認定を取り消す」とある。認定の取り消しで周波数を返上しなければならないため、譲渡価格の釣り上げは期待できそうにない。

周波数割り当ての指針案。既存事業者に譲渡した場合は認定の取り消しとなる(出所:総務省)
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 もっとも、ここまで説明してきたことは楽天も十分に分かっている。だからこそ、今回の新規参入は興味深い。総務省が現状の「大手3社寡占」を問題視し、4社体制でとにかく競争を促進したいと考えるならば、設備共有やローミング負担軽減などの支援策を打ち出す可能性もある。そして何よりも、これだけの逆境をはねのける楽天の「秘策」に注目したい。

(文/榊原 康=ITpro)