2017年、購入したりレビューして良かったデジタル機器を、専門家に3つ選んでもらった。AV評論家の折原一也氏が選んだおすすめ製品は……。

 僕の専門分野であるオーディオ&ビジュアルは、映像機器では「国内メーカーの有機ELテレビ」、ポータブルオーディオは「ワイヤレスヘッドホン」で賑わう一年となった。なかでも、僕が特に気に入った製品を3つ紹介していこう。

ソニーの有機ELテレビは何が良かったのか?

 2017年は国内メーカーも含めた有機ELテレビの元年だった。僕自身、有機ELテレビは以前から継続してチェックしていたが、昨年まではセールストーク通り画質のポテンシャルは高いが、暗部ノイズの発生や色バランス、階調潰れなど、課題も多いと判断していた。

 高画質化トレンドとして、薄型テレビにピーク輝度性能を求める「HDR」(ハイダイナミックレンジ)が主役になっているのも、絶対的な輝度が低い有機ELテレビには逆風だった。昨年2016年の画質トップのモデルは、ソニーの4K液晶テレビ「Z9Dシリーズ」。強力なバックライトによる輝度性能を特徴としていた。

 2017年は、夏商戦までに東芝、LG、ソニー、パナソニックの4社から有機ELテレビが登場したが、なかでもイチオシがソニーの4K有機ELテレビ「A1シリーズ」(KJ-55A1/65A1/75A1)。そのなかでも買いのモデルは55型のKJ-55A1(41万3300円)だ。

2017年6月発売のソニーの4K有機ELテレビ「A1シリーズ」(写真は65型のKJ-65A1)
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 まず、2017年に発売された有機ELテレビの画質はどうなのか?…‥と言うと、予想以上に素晴らしかった。日本メーカーの製品も含め、すべてパネルはLGディスプレイ製ではあるが、2017年製のパネルで基本的に暗部ノイズ、黒色の潰れ、ピーク輝度が大幅に改善している(発売時期の早かった東芝のみ2016年パネル)。

 HDR対応についても、2017年モデルの3社モデルのピーク輝度は1000nitsに到達。昨年のソニーZ9Dシリーズには劣るが、黒の締まりとピーク輝度を比べた相対的な性能が高く、HDR画質も予想を上回るキレイさだった。

 それでは、どのメーカーの有機ELを選ぶのがいいのか。全機種レビューした上で選んだのがソニーの4K有機ELテレビ「A1シリーズ」(KJ-55A1/65A1/75A1)。ソニー、パナソニックの2社は、特にパネル制御の技術が高く、暗部階調の表示特性、色の正確さはまさにプロの使うマスターモニター級だと言っていい。わずかな画質差でソニーのA1シリーズを推すが、パナソニックの「EZ1000シリーズ」でも文句はない。

 また、55型のKJ-55A1を買いとして推す理由は、想像以上に安いため。2016年のソニー「KJ-65Z9D」(65型が最小サイズ)は2016年12月時点で70万円程度だったが、2017年のKJ-55A1はネット通販だと30万円台になっているところもある。ソニーの最高画質モデルがこの価格というのは今までにない水準。今年の4K有機ELテレビは素直に買いだ。

ソニーによる4K有機ELテレビ「A1シリーズ」の発表会
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有機ELのパネルでサウンドを鳴らす「アコースティックサーフェイス」も特徴
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