ここ2~3年、日本でも急速に注目度が上がっているeスポーツ。海外では欧米だけでなく、アジアでも高い人気を誇り、オリンピックの正式種目として採用されそうなほどの規模に成長しつつある。そんな状況のなか、なぜ日本ではこれまで広がりを見せなかったのか? eスポーツは本当に盛り上がるのか? ゲーム関連の出版やマーケティング、イベント運営などで知られるGzブレインの社長で、eスポーツの現状にも詳しい浜村弘一氏に聞いた。

Gzブレイン社長、ファミ通グループ代表の浜村弘一氏。1986年のゲーム総合誌『週刊ファミ通』(当時『ファミコン通信』)創刊から携わり、『週刊ファミ通』編集長を務めたのち、カドカワ取締役を経て、2017年7月3日設立のGzブレイン(ジーズブレイン)社長に就任。 現在もファミ通グループ代表として、さまざまな角度からゲーム業界の動向を分析し、コラムの執筆なども手掛ける
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先進国でeスポーツへの注目度が低いのは日本だけ?

――まずは、海外におけるeスポーツの状況について教えてください。盛り上がりはいかほどでしょうか?

浜村弘一氏(以下、浜村氏): 分かりやすい例で言うと、海外では『Dota 2』というゲーム大会の賞金総額が27億円を超えたケースがあります。これは、スポンサー企業などにとって、それだけのお金を賞金として拠出するメリットがある、ということですね。それは極端な例にしても、賞金が1億円を超す大会がたくさん出てきています。

 先日もeスポーツ先進国のひとつである韓国に取材に行ってきたのですが、選手のスポンサーとしてナショナルクライアントがたくさんついていたり、大手キャリアのSKテレコムがeスポーツのプロチームを運営し、世界で最もプレーヤー数が多いPCゲームといわれる『League of Legends』の大会に出場したりしていました。

 トッププレーヤーにもなると、年収は3億円を超えるとのことでしたから、韓国ではプロ野球選手並みかそれ以上の収入を得ていることになります。

日本でもeスポーツイベントは増えている。2017年9月の東京ゲームショウ2017では、エキシビションマッチを含むeスポーツイベントが多数開催された
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会場は満員。対戦ごとに大きな歓声が上がった。写真はいずれも『ストリートファイターV』(カプコン)の大会(写真/田代祥吾)
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――海外でのeスポーツはいつ頃から盛り上がってきたのでしょう?

浜村氏: プロフェッショナルとしてお金を稼ぐゲームプレーヤーが最初に誕生したのは韓国と言われています。90年代の後半に大ヒットした『StarCraft』というゲームの大会が開催され、人気を博しました。

 少なくともここ10年はメジャースポーツ並みの扱いを受けるようになっているようですね。韓国の、CSやインターネット放送には、1日中、eスポーツ関連の番組を流しているチャンネルがあります。それ以外に地上波でも紹介されていましたし、英国ではBBCがeスポーツ関連の番組を放送しているようです。

――20年ほど前に韓国から始まったムーブメントが、この10年くらいで欧米にも広がった感じなんですね。

浜村氏: そうですね。米国も欧州も、もちろん中国も、eスポーツにかなり熱い視線を向けています。日本以外の先進国ではeスポーツは注目されているという状況です。