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 通信コストの安さが特徴の格安SIMは、いまや大手携帯電話会社の料金プランに影響を与えるほどに成長してきた。700社を超えるMVNO(仮想移動体通信事業者)間の競争は激しく、「FREETEL SIM」を提供してきたプラスワン・マーケティングが、楽天への通信サービス売却後に民事再生手続きを申請したことも記憶に新しい。

 苛烈な環境で生き延びるために、独自のサービスを打ち出してユーザーの心を引き付けようとするMVNOも多い。だが、通信サービスである格安SIMの基本は、やはり通信環境だ。格安SIMには、利用が集中する時間帯に通信速度が不安定になる傾向があり、特に平日の12時台や夕方から夜にかけての時間帯において顕著だ。

 そこで、日経トレンディネット内の専門コーナー「格安スマホはこう選べ!」では、格安SIMの通信速度の実態を探るべく、実際に格安SIMを契約して通信速度のテストを実施している。

 対象となる格安SIMは、前回2017年10月に実施したテスト(関連記事:「2極化が鮮明! 格安SIMの速度測定ランキング【17年10月】」)に続き、シェアや注目度が高い「IIJmioモバイルサービス(タイプD)」「楽天モバイル」「イオンモバイル」「OCN モバイル ONE」「LINEモバイル」「BIGLOBEモバイル(タイプD)」「mineo(Dプラン)」の7つを選んだ。これに今回からは、ユニークな料金プランやオプションサービスを打ち出す「nuroモバイル」を、前回までの対象だった「FREETEL SIM」と入れ替える形で加えた。

 なお、本連載では2016年5月の初回測定以降、イードの速度測定アプリ「RBB SPEED TEST」の結果を基にランキングを決定してきた。しかし、格安SIMにおける実際の利用環境をより反映するため、2017年7月の測定結果からはYouTube再生時の平均速度を基にランキングを決定する方法に改めた。

 前回は、YouTube再生時の下り平均速度10.00Mbpsを記録したOCN モバイル ONEがトップを獲得。2位のLINEモバイル(同8.08Mbps)、3位のBIGLOBEモバイル(同7.61Mbps)が続いた。今回はどういう結果になるのだろうか。

速度測定の実施方法

速度測定を実施した格安SIMの一覧
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 測定場所は、新宿駅周辺と秋葉原駅周辺(いずれも都内)の人口密集地と、地方都市の佐久平駅周辺(長野県佐久市)の3カ所。通信速度が比較的速い9時台と、通信速度が遅くなる12時台および18時台に測定した。測定日は平日で統一し、都内の2カ所は12月12日(火)、佐久平駅周辺は12月15日(金)とした。

都内2カ所での測定は12月12日に実施。天候に恵まれたこともあってか、師走の都内は普段よりもやや人通りが多かった印象(秋葉原駅前にて撮影)
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筆者が住む長野県佐久市では12月15日に測定。観光シーズンではないため駅前は静かだが、近隣の公園でクリスマスイルミネーションが点灯される日没後は歩行者が増える(佐久平駅前にて撮影)
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 今回の測定に用いた端末はエイスーステック・コンピューター(ASUS)の「ZenFone 3 Deluxe(ZS550KL)」8台。通信速度の計測には、前述のように速度測定アプリのRBB SPEED TESTを用いた。各地点で5回ずつ速度を測って平均値を算出し、最大値と最小値も併記している。

 ただ、速度測定アプリで測れるのは設備が発揮できる最大の速度だ。格安SIMではアプリに応じて通信帯域を調整することもあり、体感速度と測定結果が一致しない場合もあるため、実際の使用環境の指標としてYouTubeの動画再生時における通信速度も記録している。

 計測方法は以下の通り。Lufesu Inc.の「通信速度モニター」を用いて1秒ごとの最大通信速度を画面上に表示した状態で動画を再生し、その様子をHecoratの動画キャプチャー「AZスクリーンレコーダー」で記録。AZスクリーンレコーダーで録画された動画を再生して1秒ごとの通信速度を目視で集計し、動画の読み込みが終了するまでの平均速度を算出している。