Mozilla(モジラ)が公開したWebブラウザー「Firefox」の最新バージョン「Firefox Quantum(Firefox 57)」。公開から1カ月あまりが経過した今、そのパフォーマンスや使い勝手はどうなのか検証してみた。Webブラウザーのシェアでトップを独走するグーグル「Chrome」に代わる選択肢となり得るのか?

ユーザーからの評価は上々

 「Firefox Quantum」は、1年以上の開発期間を経て公開された。特に起動時間の短さやWebページの表示速度といったパフォーマンスは、前バージョンから大きく向上し、公開時にはブラウザーのシェアで大きな差がつけられているグーグル「Chrome」と比較し、「メモリーの使用量を最適化し、効率では30%以上を上回った」と自信を見せたほどだ。

2017年11月15日(米国時間11月14日)に公開された、Mozilla(モジラ)の最新ブラウザー「Firefox Quantum」
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Net Applicationsが調査した2017年11月のデスクトップパソコンとノートパソコンのブラウザーシェア(主要製品だけをグラフ化)。Chromeが60.61%と、圧倒的なシェアを誇っている
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 Firefox Quantumは、公開以降、国内外のメディアやユーザーの評価でも好意的な意見を見聞きする。日本ではユーザーのパソコン環境により、起動の遅さを指摘する声もあったが、公開後も細かいバージョンアップを重ねることでより質の良いブラウザーに仕上がりつつあるようだ(※執筆時点ではバージョンは57.0.2となっている)。

 早速、開発陣が自信を見せたパフォーマンスをChrome(※執筆時点ではバージョンは63.0.3239.84だ)と比較してみたい。

パフォーマンスはChromeと変わらない

 Windows 10で、パソコン版のFirefox QuantumとChromeを、「ブラウザーの起動時のパフォーマンス」と「ベンチマークサイトの総スコア」で比較した。

 「ブラウザーの起動時のパフォーマンス」は、インターネットにつながっていない状態で起動し、新規タブを10個開くまでのCPUの使用率とメモリー使用量の変化をWindows 10の「タスク マネージャー」で比較した。一方、「ベンチマークサイトの総スコア」は「Octane2」「JetStream」「Speedometer2.0」の3つのサイトで行った。ベンチマークの検証は各5回ずつ行い、その都度パソコンの再起動をしている。

 検証に用いたノートパソコンのスペックは、CPUが「Core i7-3517U」(1.90GHz、最大2.40GHz)、メモリー容量が8GBだ。

 「ブラウザー起動時のパフォーマンス」では、タスクマネージャーの「CPU」「メモリ」のグラフの動きにほとんど差は見られなかった。体感的にもWebサイトを表示するのにパフォーマンスの差は感じない。

 このことは「ベンチマークサイトの総スコア」の結果からも明らかで、両者で明確な差は現れなかった。ベンチマークによっては、Firefox Quantumのスコアが高くなることもあり、パフォーマンスはChromeにほぼ追いついたと考えていいだろう。

ChromeとFirefox Quantumでインターネットに接続していない環境で新規タブを10個開いてみた。そのときのCPUの使用率やメモリーの使用量をタクスマネージャーで比較した。Chromeは起動時に若干CPUの使用率が高くなっているが、両者に差は見られない。パフォーマンスに差はないと言っていい
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■Octane2 ベンチマーク

<Firefox Quantum>平均スコア:21693.4
<Google Chrome>平均スコア:22038.4

■JetStream ベンチマーク

<Firefox Quantum>平均スコア:118.1
<Google Chrome>平均スコア:117.5

■Speedometer2.0(r221659) ベンチマーク

<Firefox Quantum>平均スコア:38.27
<Google Chrome>平均スコア:47.83