Astell&Kern(アステル&ケルン)が2015年7月にリリースした「AK380」(写真左)。価格はなんと約50万円!
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「ポストiPod」の最高級機種が現れた

 音楽を聴くアイテムは常に変わってきた。カセットテープのウォークマンが登場して以降、iPodをはじめとした携帯音楽プレーヤー(以下DAP)のムーブメントを経て、現在はスマートフォンで再生することが一般的だ。

 手軽で簡単に聴けるが、音質はいま一歩のスマホ。1分でも長く駆動することを目指したプロダクトだから、音質ではなく低消費電力を重視しているのは仕方がない。

 一方、最近はCDを超える音質のハイレゾ音源が普及してきた。人気アーティストの新譜や往年の歌姫の名作の高音質音楽ファイルがダウンロード販売されるケースが増えたことで、ミュージックラバーな人々は、「ポストiPod」となる次世代のDAPに視線を注いでいる。その代表格というか、頂点に位置するモデルが、2015年7月に発売されたAstell&Kern(アステル&ケルン)の「AK380」だ。

 驚くなかれ、直販価格は約50万円。250ccのモーターサイクルが購入できる価格帯だ。いったい誰が買うのだろうかと思ったが、なんとこのAK380が売れている。有名オーディオ専門店「e☆イヤホン」の、暫定版ではあるが2015年売上金額ランキングでも、堂々たる1位に君臨しているほどだ。

アステル&ケルンの現行モデル。左から「AK240」「AK120II」「AK100II」「AK Jr」
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 アステル&ケルンという名前に覚えがない人も多いだろうが、実は2001年前後、アップルiPodとシェアを争ったポータブルオーディオメーカーのiriver(アイリバー)が持つ、ハイエンドオーディオブランドだ。そのアイリバーが、2012年に「AK100」というハイレゾ音源対応のDAPを発売。そのサウンドは多くの人、そしてメーカーに衝撃を与え、以後DAPの世界ではリファレンス的な存在となった。

 現在は「AK240」(約29万3100円。2014年2月発売)、「AK120II」(約20万9000円。2014年6月発売)、「AK100II」(10万9800円。2014年7月発売)、「AK Jr」(6万9800円。2015年5月発売)といったラインアップがあり、いずれも各価格帯において高音質を突き詰めたモデルとなっている。