装着感や遮音性は確実に向上、ノイズキャンセリングは着実な効果

 Studio3 Wirelessを装着してまず感じたのが、密閉感と装着感の向上だ。Studio Wirelessは、装着しても外の騒音がある程度耳まで届いてしまうが、3では耳にすっぽりフタをかぶせたような密着感が得られ、騒音が大幅に抑えられた印象だ。イヤーパッド内部のウレタンスポンジの素材や表面の人工皮革が改良されたことでしなやかな感触になり、耳全体をすき間なく覆ってくれるようになったことが奏功していると感じた。ノイズキャンセリング機能を働かせなくても、一定の静音性を確保できるようになったといえる。

Studio3 Wirelessのイヤーパッドは表面の人工皮革が柔らかいうえ、内部のウレタンスポンジが低反発素材を用いた枕のようにフィットするため、耳にぴったりフィットする感覚だ
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 もう1つ改善されたと実感できたのが装着感だ。従来のStudio Wirelessはフィット感を追求するあまりか、頭を挟み込む力が強めだと感じた。長時間装着していると、締め付け具合が気になってくる。Studio3 Wirelessは、挟み込む力がややマイルドになった印象で、装着しても締め付けはそれほど気にならなかった。海外出張時の航空機内で使うなど、長時間の利用を見込んでいる人にとっては朗報といえる。

挟み込む力は、Studio3 Wirelessのほうがいくぶん弱くなった印象を受ける。長い間装着していても締め付けられる感覚は少ない
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 Studioシリーズの特徴といえるノイズキャンセリング機能は、Studio3 Wirelessが新たに「ピュアアダプティブノイズキャンセリング」(Pure ANC)という独自機能を採用し、ノイズを最大限低減しながら音源に忠実な再生ができるようにしたという。これまでは低音域のノイズを中心に打ち消す仕組みを採用していたが、Studio3 Wirelessでは周囲の音や再生している音楽を解析し、音源とあまりに違ってくる場合はノイズキャンセリングの効果をあえて抑えるようにし、ソースのよさをできるだけ殺さずに楽しめるようになっている。

 このような複雑な仕組みによるものかは分からないが、ガタンゴトンという騒音や人の話し声が継続的に発生する電車の乗車時や、大勢の人が仕事に打ち込むオフィスフロアで試したところ、「Studio3 Wirelessのほうが若干騒音が抑えられているかな」と感じた。もっとも、前述の通りStudio3 Wirelessはフィット感に優れており、外部の騒音をある程度ブロックしてくれるので、その効果によるところが大きいのかもしれない。うたい文句ほどの劇的な変化は感じられなかったものの、ボリュームをいたずらに上げることなく音楽が楽しめるようになったのは評価できる。

 Studio3 Wirelessの改良点として注目したいのが、ノイズキャンセリング機能を任意にオンオフできるようになったことだ。右耳部分にある電源ボタンを連続して2回押すことでノイズキャンセリングがオフになり、再度2回押せばオンに戻る。ソースに一切の影響を与えずに、Studioシリーズ本来のサウンドを楽しみたい場合に使える。

 残念なのが、ワイヤレスイヤホン&ヘッドホンの欠点である遅延は、やはりある程度存在したこと。画面をタップするタイミングが重要となる音楽ゲームをワイヤレスで楽しむのは厳しかった。

アップルのAirPodsとの細かな相違点をなくしてほしかった

 アップルのW1チップの搭載でバッテリーまわりやBluetoothまわり、ノイズキャンセリング機能を改良しつつ、装着感や耐久性の向上も図るなど、全般にスキのない仕上がりになったと感じさせる。実売価格は3万5000円前後と高価だが、ビーツらしいデザインやカラーリングの魅力もあるので、その価値は十分にあると感じる。

カラーバリエーションは上品な印象の6種類を用意する
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 とはいえ、充電がLightning経由でなかったり、ヘッドホンを外しても音楽再生が一時停止しなかったりと、アップルのAirPodsの使い心地に慣れていると「おっと」と感じる点があるのが気になった。ビーツはアップルの一員になったのだから、AirPodsと併用してもすんなり扱えるよう、もっとアップルらしさを突き詰めた仕様にしてもよかったのではないだろうか。

(文/磯 修=日経トレンディネット)