GoProシリーズの最新アクションカム「HERO6 Black」。実売価格は5万4500円前後
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 アクションカムで知られる米GoProが、この秋に2つの新製品を発表した。防水&耐衝撃性能を備えた同社初の全天球アクションカム「Fusion」が話題になっているが、同時に発表した主力のアクションカム「HERO6 Black」も大きな進化を遂げていた。見た目が従来モデル「HERO5 Black」と同じなので気づきにくいが、中身はまったくの別物といえるほどになった。特に筆者が注目したHERO6 Blackの進化点をチェックしていきたい。

新型プロセッサーの搭載で機能や画質が大幅に向上

 HERO6 Blackと先代のHERO5 Blackの外観は基本的に変更点はなく、見た目で違いを見つけるのは困難なほどだ。本体のみで10mの防水性能や耐衝撃性能を備える点や、背面に2インチのタッチパネル液晶を搭載する点も共通で、基本的な装備は充実しているといえる。

HERO6 Black(左)とHERO5 Black(右)。外観からは機種を判別するのが難しいほどソックリだ
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2インチのタッチパネル液晶を搭載する点も同じだが、HERO6 Blackはタッチズームの追加などで操作性が改良されている
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 ソックリな外観とは対照的に、撮影性能は大きく向上している。特に改良が加えられたのが動画機能で、4K動画は60fps、1080pのフルHD動画なら240fpsという高フレームレートでの撮影が可能になった。ダイナミックレンジの拡大や低光量時の画質向上、写真モードでは新たにHDR Photoモードが搭載されたのも注目できる。

■HERO6 BlackとHERO5 Blackのおもな違い
HERO6 BlackとHERO5 Blackの相違点をまとめた。動画撮影の高フレームレート化やタッチズームへの対応、手ぶれ補正機能の改良などが挙げられる
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 これらの撮影性能の向上は、HERO6 Blackで新たに搭載した映像プロセッサー「GP1」によるところが大きい。このチップはカメラの頭脳にあたるもので、デジカメでは一般的に画像処理エンジンと呼ばれる。日本のシステムLSIメーカーであるソシオネクストのイメージングシグナルプロセッサー「Milbeaut」(ミルビュー)をベースに、GoProと共同開発したものだ。最高水準のブレ補正技術や低消費電力が大きな特徴となっている。

CEATEC 2017のソシオネクストブースで展示されていた「GP1」。4K動画が60fpsで撮れるということを大きくうたっている。約15mm四方のこのプロセッサーはソシオネクストとGoProが共同開発したもので、おもにソシオネクストがハードとソフト面の一部、GoProがソフト面を担当したという
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■変更履歴
初出時、会社名を「ソシオテック」と記載していましたが、正しくは「ソシオネクスト」でした。該当箇所は修正済みです。[2017/12/14 14:30]

 特に、低消費電力がもたらす低発熱が撮影性能の向上に大きく寄与している。4K/60fpsや1080p/240fpsといった高画質・高フレームレートの動画を扱う場合、大量のデータをリアルタイムに処理する必要がある。従来のチップでは、このような処理を実行すると大きな発熱が生じ、すき間がなく密閉性が高い防水防塵仕様のボディーだと放熱で問題が生じる。GP1は発熱が小さいため、防塵防滴構造のボディーでも十分に放熱が間に合うので、撮影性能が引き上げられるのだという。

 HERO6で新たに追加されたフレームレートで面白いのは、1080pの240fpsだ。フレームレートとは、1秒間に何回静止画を書き換えるかという回数のこと。映像で使われる単位はおもに「fps:frame per second」(フレーム毎秒)で、この数字が大きくなればなるほど滑らかな動きとなる。一般的に、テレビ放送であれば30fps、映画なら24fpsとなっていて、素材の映像のフレームレートが高ければ高いほど、ゆっくり再生してもコマ落ち感のないなめらかなスロー再生が可能となるわけだ。HERO6の1080p/240fpsで撮影すれば、8倍のスローで再生しても通常のテレビ放送と同等のなめらかな再生ができる。