女性は、生まれ持ったままの外見を見せようとはしない。古くから化粧をし、近年はコンピュータの画像処理で加工した姿をネット上に表す。

 若い女の子たちは、化粧や画像処理で外見を加工することを、2004年ごろから「盛る」と呼ぶ。彼女たちの「盛る」行動には謎が多い。男性が「すっぴんがいい」と言っても、常に化粧をする。男性は「そんなに目を大きくしなくても…」と言うのに、目を必死に大きく見せようとする。彼女たちはいったい何を追い求めているのだろう?

――この連載では、女心の分からない男性エンジニアのモリシロウが、若い女の子たちから絶大な支持を受けるプリントシール機(プリ機)の企画に携わる稲垣涼子氏と、日本の女の子たちのコミュニケーションからヒントを得た新しい技術(シンデレラテクノロジー)を探求する研究者の久保友香氏のもとを訪ね、勉強をする。そして、一見すると謎の多い「盛る」という行動に、デジタル時代の女の子たちの価値尺度が貫かれていることを発見していく。

稲垣涼子

フリュー「GIRLS'TREND 研究所」 所長。大阪教育大学大学院 教育学研究科 修士課程修了。2005年4月のフリュー入社以来、約10年間プリントシール機の商品企画に従事。現在は企画部部長、「GIRLS'TREND 研究所」所長、フリーマガジン「GIRLS'TREND」の編集長を兼務する。


久保友香

東京大学大学院 情報理工学系研究科 特任研究員。2000年、慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科卒業。2006年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師などを経て、2014年より現職。専門はメディア環境学。Webサイト「シンデレラ・テクノロジー」を運営する。

モリシロウ

某電気機器メーカーのエンジニア。入社26年目の50歳。2015年12月より、若年層女性向け商品の新事業のプロジェクトリーダーを務める。


※フリューと東京大学では、プリントシール機がユーザーに与える価値の定量的な評価指標の構築を目指し、2014年度より共同研究を実施している。