今のイヤホン・ヘッドホンでブームとなっているのが、周囲の騒音を軽減して音楽の世界に浸れる「ノイズキャンセリング」機能への対応だ。電車やバスの移動が多い日本人にとって、ノイズキャンセリングはイヤホン・ヘッドホン購入のきっかけにもなる目玉機能だ。

 最近では、ソニーが最新ワイヤレスヘッドホン・イヤホン「1000Xシリーズ」でノイズキャンセリング対応製品を一気に投入。アップルが買収したヘッドホンブランド、Beats(ビーツ)の「studio3 wireless」、オーディオテクニカの「SOLID BASS ATH-WS990BT」といった注目ヘッドホンの登場も相次ぎ、その注目度は増している。

 なぜ今、ノイズキャンセリングがはやり始めたのだろうか。

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ソニーはIFA 2017で「1000Xシリーズ」のノイズキャンセリングをプッシュ
Beats(ビーツ)の「studio3 wireless」もノイズキャンセリング対応
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ワイヤレス時代になって一変

 ノイズキャンセリング製品の歴史は、コンシューマ向けの製品では1995年にソニーが出した、世界初の市販ノイズキャンセリングヘッドホン「MDR-NC10」「MDR-NC20」まで遡る。ボーズも日本で2001年から「QuietComfort」シリーズを発売。以降、新モデルも継続して登場した。

 ただ、いずれも有線タイプでコントロールボックスバッテリーが必須、また耳に吸い付くような音質の違和感も残った。そんなデメリットもあり、頻繁に航空機で移動するような特定用途以外はメジャーになりきれずにいた。

 そんな中、2016年のiPhone 7のヘッドホン端子廃止をきっかけにワイヤレスイヤホンブームが到来し、状況が一変。ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンはもともとバッテリーが内蔵されており、ノイズキャンセリングの信号処理に必要なDSP(デジタルシグナルプロセッサ)もワイヤレス化と共に性能が向上。こうした追い風を受けたノイズキャンセリング対応イヤホン・ヘッドホンのメジャー化が始まったのだ。