2016年秋に大きな問題となった前機種「Galaxy Note7」のバッテリー発火事故から復活を遂げ、世界的に順調な販売を見せるサムスン電子の新型スマートフォン「Galaxy Note8」。KDDI(au)が10月26日から発売することをいち早く発表し、ほかのキャリアからの発売も期待されるGalaxy Note8だが、サムスン側はどのような点に注力して開発を進めたのだろうか。サムスン電子の韓国本社で実施された商品企画担当者へのグループインタビューから、その内容に迫ってみよう。

ディスプレーサイズが6.3インチに落ち着いた理由

 サムスン電子が米国時間の8月23日に発表した「Galaxy Note8」。サムスンが昨年発売したものの、相次ぐ発火事故によって販売中止に追い込まれた「Galaxy Note7」の後継モデルである。Galaxy Note8は、同シリーズのファンの期待を一手に集め、早くも世界的に人気を博しているようだ。

サムスン電子でGalaxy Note8の商品企画を担当したソ・ジン氏
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 日本での投入が発表されたGalaxy Note8だが、なぜサムスンはGalaxy Noteシリーズの新機種を再び投入するに至ったのだろうか。そして今回のGalaxy Note8では、どのような点に力を入れて製品開発を進めたのだろうか。韓国・水原にあるサムスン電子の本社にて実施された、商品企画を担当するグローバル商品企画グループ Senior Professionalのソ・ジン氏へのグループインタビューから迫ってみよう。

 ソ・ジン氏によると、商品企画にあたっては従来のGalaxy Noteシリーズの顧客特性を改めてチェックし、どのような機能を求めているのかを調べていったとのこと。その結果、やはり大画面を求める声が多かったことから、Galaxy Note8でも大画面ディスプレーの実現に力を入れたという。主力モデル「Galaxy S8」「Galaxy S8+」で採用した、ベゼル部分を極限までそぎ落とした18.5:9の縦長画面比率の有機ELディスプレー「インフィニティディスプレー」を用いることで、6.3インチの大画面ながらも幅を74.8mmに抑え、片手で持ちやすいサイズ感を実現している。

サムスンのお膝元、韓国では既に販売が開始されている「Galaxy Note8」。インフィニティディスプレーを採用した6.3インチの大画面が特徴だ
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 そしてもう1つ、ソ・ジン氏はGalaxy Noteユーザーの特徴として、大画面を生かしてマルチウインドウを活用しているユーザーが多いことを挙げる。そうしたことからGalaxy Note 8では、よく使う2つのアプリをマルチウインドウで起動しやすくする「App Pair」機能を新たに搭載。車を運転する時にカーナビアプリと音楽アプリを同時に起動するなど、マルチウインドウをより手軽に利用できるようにしたとしている。

 だが、大画面とはいえ、日本でも発売しているGalaxy S8+のディスプレーサイズは6.2インチと、Galaxy Note8と大きくは変わらない。Galaxy Noteシリーズ最大の特徴となるペン操作があることから、「Galaxy Noteシリーズの顧客はプロダクティビティとクリエイティビティに重点を置いている」(ソ・ジン氏)という点で違いはあるものの、画面サイズをもっと大きくしてGalaxy S8+と明確に差異化する考えはなかったのだろうか?

 ソ・ジン氏はこの点について「スマートフォンとしての特性を諦めることができなかった」と話している。Galaxy Noteシリーズは大画面が特徴の1つとはいえ、あくまでもタブレットではなくスマートフォンという位置付けだ。スマートフォンとして片手でも持ちやすいサイズ感を実現するためにも、これ以上画面サイズを大きくするのは難しく、6.3インチが上限ギリギリのサイズと判断したようだ。